ブルーグラスひいてはアメリカーナ史に革命を起こした「燐光ブルース」リリース以降、クリス・シーリのソロやクリス・エルドリッジのジュリアン・ラージとのデュオなどそれぞれが八面六臂に活躍、待望の来日公演も果たし、いよいよ本丸の新作が3年ぶりに満を持しての登場だ。バンド初のセルフプロデュースは、来日公演で魅せたマイク一本での演奏やMVでのナロウな演奏風景にも表れているが、表現の拡張は引継ぎつつ姿勢としてのルーツ回帰とソロなどを経ての内省が見られる。前作での到達点を経、それでも更にその先へと進んでいくという意志の強さがそこにはあり、故に今作もまた傑作となっている。