2018年6月にオランダ・バッハ協会芸術監督に就任した、ヴァイオリニスト佐藤俊介によるコンチェルト集。現代的なピリオド演奏といった趣で、装飾やノンヴィブラートの効果を活かしつつ、洗練されたバッハを聴かせてくれる。オーケストラは(バッハの憧れの地でもあった)イタリアで高い評価を受けるピリオド楽器アンサンブル、イル・ポモ・ドーロ。彼らの軽やかな音楽作りにはチェンバロを始めとする通奏低音群の貢献も大きく、まるで1人の奏者がオーケストラを演奏しているかのような一体感と自然さ、ノリのよさを生み出している。リズム感や呼吸感が大切になる舞曲風の楽章がとりわけ魅力的だ。