TOKYO FMで毎週金曜の27~29時に放送中の番組「RADIO DRAGON-NEXT-」。モデルやブランド・ディレクター/デザイナーなどマルチに活躍し、音楽への造詣も深いことで知られる菅野結以がパーソナリティーを務める同番組は、〈すべての音楽の登竜門〉をコンセプトに2010年にスタート。以降リニューアルをしながらも独自の視点で主に国内のフレッシュな音楽を紹介し続けきた人気番組だ。

その番組内のコーナー〈Monthly Disc〉で11月の顔となっているのが、plentyの元ヴォ―カリスト/ギタリストであり、11月7日に初のソロ作『#1』を発表した江沼郁弥。Mikikiでは、コーナーで放送された江沼のトークの完全版をテキストにて独占公開中! オンエアされたトークはもちろん、泣く泣くカットされた発言もすべて公開しているので、ラジオと共に毎週必ずチェックしてほしい。

計5回の短期集中連載も、今回がとうとう最終回。11月30日に放送されたトークをお楽しみください! *Mikiki編集部

Monthly Disc:江沼郁弥(最終回/11月30日放送分)

TOKYO FM「RADIO DRAGON-NEXT-」をお聞きのみなさん、菅野結以さん。こんばんは、江沼郁弥です。

今回がラストということで、非常に悲しいですね。……いや、嬉しいんですけどね(笑)、一か月にわたって、今月リリースしたファースト・フル・アルバム『#1』を特集してもらって。何でも、〈ラスト〉というのは悲しいものです。

 

――『#1』を作るうえで全体像のイメージはあった?

そうですね、こうして話すことでちっちゃく聞こえてしまったらいやなんですけど、イメージしたのは、聴いていて気持ちよくて。まるで水中にいるようなものが自分の中で鳴っていたので、それをそのまま具現化したいなと思いました。

 

――どこか厳かで、セイントな感じがする音像です。

そういう音像が好きってのはあると思います。好み。あまり中間じゃない……すごく小さな世界観か、すごく大きな世界観か、というか。まあ、でも好みですね。

 

――歌詞もどこか寂しさを感じさせるけど、それは無意識に?

いろんな人がいると思うんですけど、自分の場合はネガティヴな感情をエネルギーに変換して曲を作っているところがありまして。楽しいときは楽しいで終わっちゃうというか(笑)。どこか出かけても、そういう負の感情を持ち帰ってきてしまうんです。アウトプットしないとどうにもならない感情が、ものを作るエネルギーになっているんだと思う。だから〈どこか寂しげ〉とか、明るいか暗いかで言ったら暗いとか。そういうのは多くあるのかもしれないです。

でも、全部がそうではなくて。光と影のバランスを取ることもあるし……僕、てんびん座なので、ついバランスを取りたがるんですよね(笑)。あるいはどん底に暗いものにしたいときもあるし、いろいろです。(『#1』収録の)“parade”なんかはかわいらしい感じと思わせつつ、それだけではなかったり。そういう変化は自分でも楽しんでいるかなと。

まあ、悲しいことをみずから引き起こすというのはなかなか気が引けちゃう部分もありますが、例えば〈怒り〉とかは、先々週かに話した〈雷に打たれる〉というのが、やっぱり大事で。それをみずから探していくというのが、今後の自分の課題かな。

自分の場合はアウトプットする方法が音楽しかなくて。で、日に日に人と会話するのが苦手になってる実感もあるので、音楽しかないんですよね。いろんなショックを受けて、音楽にしていって、なるべくみんなに喜んでもらえるように頑張る。それが自分なりの社会貢献なのかなと最近思います。

 

――先日30歳を迎えましたが、音楽を始めた頃と今の違いは?

自分自身は30歳というのに驚いてはないんですけど、来る30歳に向けて日々生活してたとこえろはありますね(笑)。自分の師匠的な人に〈あんたは30歳からだよ〉みたいにずっと言われてたので、楽しみな30歳が始まったなって、やっとスタートラインに立ったのかな?なんて思うんですけど。

音楽を始めたのは、たぶん中学1~2年生の頃なんですけど、いまのほうが音楽を好きな気がするんですよね。音楽にしか興味がないというか……あ、あと自分の愛犬ね(笑)。

音楽を始めた頃ってガムシャラだったけど、そういう気持ちは年齢と共に薄れていってるのかも。でもガムシャラじゃないぶん、いまは頭で考えてるというかね。貪欲になったかな……まあもっともっと貪欲にならないとなって思ってるんですけど。うん、昔とは違うかもしれないな。

 

江沼郁弥 #1 1994 Co.Ltd.(2018)

では、“として”に続いて最後に、一か月間かけてもらっていた“flash back”という曲を聴いてもらおうかなと。

“flash back”のこのサウンドははなんて言うんでしょうね。ダンスって言うほどでもないし。ゆったり、チルな感じ。曲の骨組み自体はホントにすぐ出来たんですよね。そのぶん、他のことに時間をかけましたけど。この曲は四つ打ちで、軽快じゃないんだけど、なんとなく〈死〉を連想させられて。ちなみにサポートをしてもらってる木のメンバーは、この曲で口説き落としました(笑)。自分もこの曲が好きなんですけど、彼らも〈いいね〉って気に入ってくれて。関係ないですけどね(笑)。

 

――作曲する順番は詞先? 曲先?

先に曲を作って後から詞を乗せることが多いので、“として”とかは同時に出来ましたけど。あと“parade”とか、“neoromantic”とか。“flash back”は半々ですね。サビの部分は最初からあったですね。

それでは、江沼でした。ありがとうございました!

 


★本トークはコチラから、オンエア日より1週間聴くことができます★

TOKYO FM「RADIO DRAGON-NEXT-」は毎週金曜日27時~29時に放送中。
※TS ONE(全国聴取可)にて毎週土曜日20時~22時で再放送有り。
https://www.tfm.co.jp/dragon/

 


Profile:江沼郁弥(エヌマ フミヤ
88年9月24日生まれ、茨城出身のシンガー・ソングライター。2004年に地元の同級生と共にロック・バンド、plentyを結成し、ヴォーカル/ギターを担当。2008年に上京、翌年にミニ・アルバム『拝啓。皆さま』でCDデビュー。2017年9月の日比谷野外大音楽堂公演をもって解散。翌2018年9月よりソロ活動を開始し、限定盤EP『Prototype EP』を発表。2018年11月7日にファースト・アルバム『#1』をリリース。

〈LIVE #1”〉
2019年1月15日(火)愛知・名古屋CLUB QUATTRO
2019年1月16日(水)大阪・梅田CLUB QUATTRO
2019年1月23日(水)東京・渋谷WWW X
2019年1月24日(木)東京・渋谷WWW X
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