SNSを中心にバズりまくる4人組が待望のファースト・アルバムを完成! 弱さも矛盾も曝け出しながら歌われる、平均年齢21歳のリアルなストーリーとは?

なんでもやるバンドでありたい

 シンガー・ソングライターとして活動していた〈かやゆー〉がSNSでメンバーを募集し、2020年8月に結成された平均年齢21歳の4人組ロック・バンド、ヤングスキニー。楽曲を公開するやいなや、矛盾だらけな恋心を赤裸々に綴った歌詞や耳馴染みの良いメロディーがティーンを中心に熱い共感を呼び、TikTokなどでバズりまくる異例の大反響を引き起こした。以降も勢いを止めることなく2023年2月にはメジャー・デビュー。このたび記念すべき初のフル・アルバム『歌にしてしまえば、どんなことでも許されると思っていた』を完成させた。順風満帆な道のりを歩んできたように見える彼らだが、“らしく”ではポジティヴに自分たちの未来を描きつつ、〈散々馬鹿にされてきた〉とも歌っている。

 「楽器もロクにできないまま組んだから、演奏やライヴがすごく下手くそだったんです。でも、インディーズ・バンド専用の音楽配信プラットフォーム〈Eggs〉で公開した“世界が僕を嫌いになっても”がいきなり注目されたことで、演奏力に反して知名度だけは上がって。そのギャップにかなり苦しみました」(かやゆー、ヴォーカル/ギター)。

ヤングスキニー 『歌にしてしまえば、どんなことでも許されると思っていた』 スピードスター(2023)

 その後、メンバーの変遷がありながらも粘り強くライヴを重ねていった。一方でTikTokでの投稿を行なったり、YouTuberばりの動画コンテンツをアップしたりと、デジタルネイティヴ世代ならではの発信力を持っている点もヤンスキの〈らしさ〉と言えよう。

 「〈Eggs〉で曲の再生回数が伸びたら、なるべく早くMVをアップして、グッズも作ってましたね。MVの監督を探し、お金をどうにかかき集めて依頼したり。自分たちで全部作っちゃうときもありました。そうしないと、せっかくのチャンスを逃してしまうので」(かやゆー)。

 「企画系の動画は僕が編集しています。変なプライドは持っていないですし、なんでもやるバンドでありたい。中3でYouTube配信に興味を持って、高校入学の記念で親にMacを買ってもらったんです。その頃に培ったスキルをここで活かせてよかったです」(ゴンザレス、ギター)。