インタビュー

トム・ヴォルフ監督が語る映画「私は、マリア・カラス」 今さらだけど、こんなマリア・カラス、はじめて!

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トム・ヴォルフ (c) Kelly Williford

 ロシア生まれ、フランス育ちのジャーナリスト系監督トム・ヴォルフが3年にわたるリサーチによって、彼女の未完の自叙伝やこれまで封印されてきたプライヴェートな手紙や秘蔵映像・音源などを入手。それらを元に、今までに無かった新しい視点の記録映画「私は、マリア・カラス」を完成させたのだ。

 「私はそれ程熱心なオペラ・ファンではなかったのですが、カラスの歌う『ランメルムーアのルチア』の狂乱の場面を聴いて、すっかり虜になってしまいました。もちろんその後、残された舞台映像を観て、彼女のステージにおける佇まいにも魅了されましたが、心を掴まれるのにはあの声だけで充分でした。どうやったら歌でこんなにも見事に役を演じることができるんだろうと感銘を受け、もっと詳しく知りたいと思うようになって、真のマリア・カラスを探求するプロジェクトに着手したというわけなのです」

 実に劇中の50%以上が〈初公開〉素材という衝撃。始まってすぐに登場する「蝶々夫人」のカラーによる舞台映像からマニアの目は釘付けだろう。自宅や友人の家でリラックスする素顔や豪華クルーズを楽しむ姿はもちろん、1964年にオナシスと休暇で訪れたレフカダ島で「カヴァレリア・ルスティカーナ」の《ママも知るとおり》をサプライズ歌唱する様子や、1965年3月に7年振りにメトロポリタン歌劇場に復帰して「トスカ」を歌った時のバックステージや客席から見た舞台姿など、貴重な〈初出し〉が盛り沢山。Blu-rayで市販されている1958年パリ・デビューのガラ・コンサートや1962年&1964年のロンドンはコヴェント・ガーデン王立歌劇場でのステージも(ごく短い時間ながら)、鮮明なHDクオリティのカラー映像でスクリーンに映し出される。

 「世界中を回って親しかった人たちを訪ね、8ミリや16ミリに収められた私的なフィルムを借り、関係者が所有していた素材や熱狂的なファンが無許可で撮影したパフォーマンスなどを入手しました。有名な市販映像についてもオリジナルをみつけてデジタル化し、写真を参考に適切な着色を施したのでBlu-rayよりも画質がいいし、カラーなので観客になって劇場にいるような臨場感を味わっていただけると自負しています」

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