自身の生まれ年を表題に掲げた4年ぶりのオリジナル・アルバムは、ニュー・ソウル的な色合いの濃い“Let’s Get It”で幕開け。これを筆頭に、今回の彼はソウルやファンクの血脈を丹念に辿りながら、自分の本質と向き合う試みを実践している。リラクシンなジャズ・フィールを醸したかと思えば、『Off The Wall』期のマイケル・ジャクソンを連想させる“Saturday Night (Need You Now)”が顔を出したり、一貫したムードを保ちつつも起伏のある展開を構築しているあたりも秀逸だ。シェニア・フランサの注入したアフロ・ブラジル要素が曲全体にタイムレスな響きを与えている“Place Of Worship”が白眉。