リュートの第一人者つのださんに伴われて期待のソプラノのデビューアルバムです。ダウランドのリュートソングは聴き手にどこかはかなげで時に静かな哀しさを感じさせるところがあります。歌う小倉さんは〈色彩豊かなメランコリー〉と表現されていますが、まさにそういった風情を漂わせた素敵な一枚。その細いながら透き通った美声はダウランドの世界にぴったり。タイトル曲を始め“悲しみよ、とどまれ”、“戻っておいで”と名曲揃い。例えば夏の夜、このアルバムを聴くとほっとするような清涼感が味わえそうです。ご自身で書かれたライナーノーツ、訳詩も合わせてお楽しみ下さい。