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B.I.G.JOEの近年の足取り

 かつてB.I.G.JOEのことを説明する際には〈THA BLUE HERBのILL-BOSSTINOが唯一憧れた日本のラッパー〉という形容が用いられていたものだが、実際に彼のキャリアを音源だけでも振り返るなら、日本産のヒップホップ作品自体が数えるほどだった90年代半ばにまで遡ることができる。99年にJOE名義の“INDEPENDENCE DAY”を発表して以降、MIC JACK PRODUCTIONを結成してからの波瀾万丈な活動は知る人も多いことだろう。dj hondaとの『UNFINISHED CONNECTION』(2015年)から今回の新作『Tenderness』まではしばしの期間が空いたが、ここではその前後から最近までの客演についても簡単に押さえておきたい。

 まず、伊集院幸希がラッパーたちを迎えた企画コラボ盤では“愛の逃亡者”を劇画的な存在感で披露していたり、北海道コネクションとなる大ヴェテランのDJ SEIJIのアルバムを自身のTRIUMPHから送り出したり、EDMに挑んだJOLLY-TIP aka DJ KEIZIともしっくりコラボ。ただ、札幌勢とのコラボという意味ではtha BOSSとの“WE WERE, WE ARE”に勝る重みはないだろう。他にも自作に招いたOMSBへのお返し客演“Goin' Crazy”を経て、SIMI LAB繋がりでHi'Specのソロ作にも“O.D.”でマイクを握った。旭川に移る前後は往時ほどではないものの、KM$× I-DeAや馴染みのMichita、O.N.Oのビートに乗ったY to the ONEなど不定期に客演も継続中。朋友DOGG a.k.a. DJ PERROの新作での出番も聴きどころだ。 *狛犬

B.I.G.JOEの作品を一部紹介。