PELICAN FANCLUB 『三原色』 多色性のように変容していく、三者三様の楽曲から感じる色

2019.11.26

青、黄、緑、赤、そして、白――色鮮やかなライトが暗がりのなかを駆け巡り、熱気と音で満たされる空間。PELICAN FANCLUAB初シングルの表題曲“三原色”は、躍動感溢れる演奏でまさにライヴ映えする一曲だ。〈空の色はどうして青くみえるのだろうか/記憶は黄色く焼けてしまうのだろうか〉。独特の言語感覚と色彩感覚で彩られた歌詞は、アップ・テンポなメロディーに乗り、より疾走感を増す。〈想像していた位置からみえる景色/想像していた「1」を手にした時〉のような、同じ音の響きで違う意味をもつ言葉は、耳で聴く歌詞と目で見る歌詞に含みをもたせ、それぞれに発見が。混ぜ合わせ次第ですべての色になる三原色は、自分の意識次第で何者にもなれるという意思を表しているかのようだ。

その〈意〉思に心をひとつたして、記〈憶〉について。カップリングでは、2016年作『OK BALLADE』に収録された“記憶について”をリ・レコーディング。ライヴの定番曲で、メンバーも大切にしてきたであろう一曲だ。透明感と包容力が増したサウンドと歌声で、〈大事なことはすべて叫んだ〉と繰り返し叫ぶサビは、心にグッとくるものがある。三年半という年月を積み重ねた〈記憶〉はいま、はたして何色なのか。また “Dayload_Run_Letter”は、通常盤にのみ収録されているミドル・テンポの一曲。鬱々したブルーな感情が入り混じりながらも、サウンドはあくまでも明るく爽やかだ。三者三様の楽曲から感じる色は、聴き手によって、また時と場合によって、多色性のように変容していくだろう。そんな曲たちが、ライヴでは何色のライトで照らされ、演奏されていくのか楽しみだ。

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