Plastic Treeが20年かけて広げた枝に実る音楽は?

 メジャー・デビュー20周年にあたり、2017年は〈樹念〉企画として“念力”“雨中遊泳”という2枚のシングルを通じて20年前の自身と向き合ってきたPlastic Tree。今年も終盤に近付いたこのタイミングで、「ここが一連の流れの山場です!」と有村竜太朗(ヴォーカル)が胸を張るトリビュート盤『Plastic Tree Tribute~Transparent Branches~』が登場する。

VARIOUS ARTISTS Plastic Tree Tribute~Transparent Branches~ ビクター(2017)

 「メジャー・デビュー20周年のお祝いということで、〈記念企画で何がしたい?〉ってミーティングをしたときに、メンバー全員から出た案なんです。自分たちのバンドを客観視して、こういう作品が作れたらいいなって。参加してもらうのは僕らに近いバンドだけじゃなく、それほど縁がなさそうに見える方々も誘ってみるにはいい機会かなと。それでオファーしてみたら快諾してもらったり、まずはいろんなジャンルのアーティストに参加してもらいたいっていう気持ちが強かったですね。そうすることで、プラの作った曲にいろんなリスナーが触れてくれたらなあって」(有村:以下同)。

 そうした思いから、さまざまなシーンで活動するロック・アクトが並ぶ参加ラインナップには、「音楽ももちろんやられている方なんですけど、声優としてもファンで」という大御所、緒方恵美の名も。そこに加え、2014年のシングル“マイム”から2015年作『剥製』まで4作品に渡ってコラボしてきた劇団犬カレーの泥犬がふたたびジャケットのアートワークを描き下ろし、Plastic Treeの2007年の日本武道館公演の際に配布された楽曲“ゼロ”のプラ自身による再録版もボーナストラックとして正式音源化。プラにとっての音楽制作の何たるかが感じ取れる言葉をドリーミーな浮遊感で包み込んだこのミディアム・チューンは、10年前と同じく今後のバンドの指標となるだろう。

 そんなプロセスを経ていよいよ完成した本作。ここからは、プラスティックの樹がその根と枝葉を伸ばす先に実った音楽をひとつずつ解説してみよう。

Plastic Treeの近作。