全国のタワーレコードのスタッフが、己の〈耳〉と〈直感〉だけを基準に世間で話題になる前のアーティストの作品をピックアップし、全店的なプッシュへと繋げる企画〈タワレコメン〉。これまで、相対性理論、神聖かまってちゃん、クリープハイプ、cero、KANA-BOON、洋楽ではストライプスやチャーチズといった現行シーンの最前線で活躍するアクトをいち早く発掘しており、現在は月1回のペースでオススメ・アイテムを紹介しています。Mikikiでは、そんなタワレコメンの選定会議に潜入し、作品の魅力を視聴コンテンツと共にお伝えする特集を連載中! 今回は8月度の邦楽編です!!
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タワーレコードの本社にて行われるタワレコメンの会議。邦楽担当の腕利きバイヤーたちがオススメのアイテムを持ち寄り会議室へ集まります。何百タイトルという山のような新譜のなかから選ばれた計8作品の音源を聴き比べながら、熱い議論で最終作品を絞り込みます。そんな厳しい予選を勝ち抜いて8月度のタワレコメンに決まったのは……以下の3タイトル!!
★2015年8月度〈タワレコメン〉邦楽編:選出アイテム
複数名のスタッフから名前が挙がる人気ぶりを見せつけたのが、名門DAIZAWAの大型新人として注目を集める4人組ロック・バンド、PELICAN FANCLUBのアルバム『PELICAN FANCLUB』。syrup16g~THE NOVEMBERSの系譜に連なる鋭利な感覚に貫かれた世界観と、海外のドリーム・ポップ・アクトにも通じる浮遊感のあるサウンドとのコンビネーションがクセになる! アルバムは〈謎(=ハッキリ分からない感覚/人の中にある痒い部分)〉をテーマにしており、ギター/ヴォーカル担当のエンドウアンリが綴る歌詞もイマジネーションを刺激すること必至の快作に仕上がっています!
【推薦コメント:渋谷店 宇野】
2012年に結成された4人組ロック・バンド、PELICAN FANCLUB! タワーレコード限定で販売した『Capsule Hotel』『ANALOG』も大好評、ワンマン・ライヴも下北沢SHELTERで行うなど、すでにインディー・シーンになくてはならない存在になりつつある彼らが待望のデビュー! シューゲイサーのような轟音とニューウェイヴィーなバンド・サウンド、相対するような甘酸っぱいメロディーと歌。多幸感とシニカルが同居する、新世代ドリーム・ウェイヴ・バンド! 一聴すればトリコになること間違いなしです。
ここ最近のタワレコメンの傾向にガツーンとカウンターをかますような(?)痛快&疾走感満点のメロディック・パンクでスタッフを魅了したのは、愛媛の3ピース・バンドであるLONGMANのセカンド・ミニ・アルバム『tick』。キュートな紅一点のSAWA YORIKI(ヴォーカル/ベース)とHIROYA HIRAI(ギター/ヴォーカル)の男女ツイン・ヴィ―カルと超キャッチーな歌メロの相性が反則級に抜群で、タイトルに〈時計の針が進んでいくように自分たちも進んでいきたい〉という真摯な想いを込めたアルバムの全7曲をあっという間に駆け抜けます。SpecialThanksやFOUR GET ME A NOTSあたりのファンには特にオススメ!
【推薦コメント:新宿店 黒沢】
数々のフェスやイヴェントに出演してきたLONGMAN、心地よく疾走するリズムがとにかく最高なんです! ヴェテランの横山健さんを筆頭に、WANIMAなどメロディック・パンク界隈が盛り返している昨今のシーン、これは外せない作品です!
担当スタッフが「あまりにハマって昨晩ずっと聴き通しだった」と溺愛ぶりを示したのが、吉祥寺バウスシアターのスタッフとして名物イヴェント〈爆音映画祭〉の運営にも携わっていた宮崎生まれのシンガー・ソングライター、井手健介率いる井手健介と母船のファースト・アルバム『井手健介と母船』。古い邦画のワンシーンを想起させるようなノスタルジーを喚起する優しい歌声とギターの調べ、かすかに混じったサイケデリアが織り成す独特の音世界が魅惑的です。石橋英子、山本達久、須藤俊明、柴田聡子といった手練れのミュージシャンたちが脇を固めた、じっくり味わいたい一枚。
ということで、三者三様、まったく違った魅力を持った3作品が並んだ8月度〈タワレコメン〉邦楽編。アイテムはいずれも発売済みです。入荷状況は店舗により異なりますので、気になる方はお近くのショップへお問い合わせください。次回は9月度のレポートを掲載する予定なのでお楽しみに!