数年おきに多忙になるプロディジーの合間をアート世界で過ごしながら、個人の音楽趣味も追求してきたマキシム。ここ数年の間にはウィー・アー・ノイズにてトラップ系のトラックを発表したり、自主レーベルのデス・ドラム・レベルからドラムンベース曲を出したりもしていたが、そこからの流れも踏まえた14年ぶりのソロ3作目がいよいよ実を結んだ。ベース・ヘヴィーでエッジーな意匠はイメージ通りながら、これまでになくルーツのレゲエ色を素直にアウトプットしてきた印象が強く、緩急自在なマイク捌きも含めてシンプルな聴き心地が濃厚かつ新鮮だ。急逝した盟友キース・フリントに捧げる意味合いが強まったのは当然だとして、表題に掲げたストレートなメッセージも内面の変化を窺わせる。