大ヒットした“白日”をはじめ、耳馴染みのある楽曲がズラリと並ぶサード・アルバム。スタジアム・ロック調の“飛行艇”や、King Gnu流の青春パンクといった趣の“Teenager Forever”など、アッパーな楽曲にバンドの勢いがはっきりと表れている。しかし、現状を俯瞰したような歌詞からはむしろ強い焦燥が感じられ、常田大希がストリングスと共に歌い上げる哀感たっぷりのバラード“檀上”が深い余韻を残す。

 


昨年作『Sympa』でブレイクし、文字通りヌーの大群のごときシンパを爆発的に増やした4人が、その次に行うのが〈セレモニー〉というのだから興味深い。“開会式”、“幕間”、“閉会式”というインタールードを挟みつつ、式典の壇上に次々と現れるのはキラーチューンの数々。そりゃあタイアップ・ソングばかりだもの、どの曲もキラーチューンであって当然ではあるのだけど(それも容易に出来ることではないけど)、そこにKing Gnuらしい美意識&キャッチーさという一貫したものと、どの曲も似ていないし新しいというバラエティさが同居しているのが素晴らしい。つまり飽きない。そんなバンドの強みを堂々と提示しているのがこのセレモニーなんだろう。さて、この一大祭典が終わってしまったら、バンドが次に取る行動とは何だろう? ますます目が離せない。