OPUS OF THE YEAR 2023
[特集]bounceが選ぶ2023年の100枚+
ゆく年くる年。ゆく音くる音……いろいろなことが起こりすぎて、何とも言えない気持ちになることの多かった2023年。さっさと忘れてしまいたい気持ちもありつつ、それでも、そんな日々を彩った音がこんなアルバムたちと共に素敵な記憶として残っていきますように。まずはこの100枚から!!
100MOIDE IN MY HEAD 2023
bounceが選ぶ2023年の100枚
2023年はタリブ・クウェリ&マッドリブやサム・ゲンデルとの絡みでも記憶されるミシェルだが、自身はブルーノートに移籍。マーク・ジュリアナらを迎えてハイブリッドな演奏で歌心にフォーカスした。 *出嶌

マス・アピールがヒップホップ50周年を盛り上げた年、その王はハイペースにヒット・ボーイとのタッグ作を連発! 前年秋の本作で“Michael & Quincy”を気取ったコンビは、2023年も『Magic 2』『Magic 3』を残した。 *出嶌

セルフ・プロデュースゆえか、このバンドならではの研ぎ澄まされた獰猛さと妖しい色気を取り戻した復活作。2月の来日公演は、最高にストーンできるショウを期待せずにはいられません! *田中

リユニオンが実現し、〈サマソニ〉で来日も果たした4人の新作は、距離感の心地良さを味わえる演奏、ナチュラルな枯れ具合がたまらない。歳を取るのも素敵じゃないか、と思わせてくれる一枚です。 *田中
2023年に大阪で始動したばかりだという3人組ロック・バンドの初EP。期待株がわりと早く紹介される日本のバンドなれど、アクのある歌謡性とオルタナ寄りの演奏がかっこいい独創的な音楽は新年にもっと広がるはず。 *出嶌
大阪発、平均年齢20歳の女性4人組による初アルバムは、大人になりきれていない季節の戸惑いや喜びを歌う。この鮮やかな蒼さに抗う術はない。爆発寸前の才能の震えを捉えた奇跡的な一枚だと思う。 *田中
LAの鍵盤奏者がコスタリカ滞在中に人々や自然に着想を得て作ったという一作で、トロピカル味のアンビエント~ニューエイジ感が心地良い。2023年の彼はエディ・チャコンやイヴ・トゥモアとの仕事も目立っていた。 *出嶌

“Back On 74”のバイラル化で過去作以上に評判が広がったという4作目。馴染みのリディア・キットら各曲にヴォーカリストを起用し、ディスコ~ディープ~フィルターなハウスの快感を端正に聴かせるスマートな一枚だった。 *出嶌

エモ・ラップ以降の刹那的なトーンとロック作法を融合してきた気鋭のメジャー・デビュー作。KMがプロデュースの核となり、Chaki Zuluやザック・セルヴィニまで起用した制作陣や客演の振り幅も興味深かった。 *出嶌
METAFIVEの特別編成を起点とした砂原良徳、LEO今井、白根賢一、永井聖一の4人組。この初作は各々のニューウェイヴ感覚を接合してマシーン・ビートが轟く佳作となった。なお、永井はQUBITでのアルバムも登場。 *出嶌

インディー作品で知られたR&Bシンガー/ソングライターのブルーノート移籍作。歌い手としてのオーセンティックな魅力を深く穏やかに追求しながら、マルチな楽器演奏の才を活かしたジャズ風味も効果的だった。 *出嶌
BiSH解散を経たセントチヒロ・チッチのプロジェクトによる初作。峯田和伸、真島昌利、おかもとえみの提供曲もよく馴染みつつ、自身の素直な詞曲をナチュラルに聴かせる新鮮な表情は今後の期待も膨らませてくれた。 *出嶌

UKアフロビーツ界隈の大ボスとして、前作から連続で全英1位を記録した3年ぶりの3作目。リズミックなビートとしなやかな語りにドレイクもジョルジャ・スミスもバーナ・ボーイも巻き込んで進む余裕の快作でした。 *出嶌

グラミーに愛される才人が、いわゆる〈ワールド・ミュージック〉観を自分の目線で再定義せんとしたコンセプト作。カミロやNewJeans、ファイアボーイDML、ケニーGらユニークな布陣と多彩なリズムで楽しませてくれた。 *出嶌

ジャージークラブの“Just Wanna Rock”やシステム・オブ・ア・ダウンのカヴァー、中邑真輔の入場曲ネタなど嗜好を全乗せした豪快盤。トラヴィス・スコットのアレと並んである種の時代の終点のようでもあり……。 *出嶌

横アリ公演を前にZORNのレーベルから届けた10年ぶりのアルバム。DJ PMXとの再会もKREVAとの共演もがむしゃらで清々しい。昔からの貫禄に年齢が追いついたかのようで、変わらぬ少年性も垣間見せる大人の名盤。 *出嶌

アメリカーナの大物による大傑作。60年代ソウルのレコードっぽいジャケが示す通り、ゴスペルやブルースの色を増した仕上がりはソウルフルで情熱的。ジャック・スプラッシュ制作というのも納得だ。 *出嶌

XXのシンガーによる初のソロ作。昨今のトランス・リヴァイヴァルからの反響も感じさせるユーフォリックなダンス・ポップ盤だが、〈女性が女性を好きだと歌う〉歌詞こそが今回の本懐でしょう。 *田中
Dorianが全面プロデュース。シンセ・ブギーからアシッド・ハウスまでキャラ違いの8曲で、主役の溌溂とした歌声を引き立てていた。キラキラとした夜の風景を描く歌詞は、いまの季節にこそぴったり! *田中
アシャケら同胞の躍進も目立った年、アフロ・フュージョン王は本作でついに全英1位を達成。21サヴェージやデイヴ、GZAとRZAら豪華ゲストも招き、レゲエやアマピアノにも及ぶ意匠でメロディックな語り口を響かせた。 *出嶌

THE CHEMICAL BROTHERS 『For That Beautiful Feeling』 EMI/ユニバーサル(2023)
完全復活した感のある〈兄弟〉の新作は、ここ最近でいちばんサイケデリックな内容に。年明けには来日公演を控えていますが、そろそろ〈フジロック〉での横綱相撲っぷりも拝みたいものです! *田中

〈喪失と発見〉から〈墜落か飛翔か〉へ。都会暮らしに疲れた歌姫が地元に戻って制作した2作目。過度にチルすぎず、ジャジーなハウスやアフロスウィングなどをクールに歌いこなす様が麗しかった。 *田中

アトランタの20年選手による11年ぶりのソロ作は、ジャケや表題が示すように自身の起点や歩みを表現し、ダンジョン仲間のアンドレ3000や相棒のエル・Pらも登場。南部ヒップホップの濃厚な薫りに燃えた人も多いはず。 *出嶌

キャッチーなフックがクセになるロストボーイ作の“Padam Padam”が大ヒットした3年ぶりのアルバム。今回も多種多様なディスコ~ダンス・ミュージックを導入してアップリフティングなテンションをキープした痛快盤だった。 *出嶌

オーケストラを大胆に導入した点は、ブレイク以前のチェンバー路線への回帰のようだが、掘り下げられる感情は極めてディープ。悲しみや諦観を演劇的に表した歌には、いまの感覚が刻まれていた。 *田中

ポップ・パンク再評価が普通になったタイミングでの、オルタナに舵を切ったアプローチもばっちりだったのでしょう。評価されまくりのロックな2作目には、J-Popの次のモードを幻視したりも。 *田中
映画「くるりのえいが」の制作が契機となり、初代ドラマーの森信行を迎えて約20年ぶりに録音。多くの別れを経験した2023年、この〈再会〉のアルバムは未来に待つであろう灯火として瞬いていた。 *田中
シンガー・ソングライターのメジャー初作は、憂いを残す歌声と軽やかな鍵盤の音色に、ソウル・フレイヴァーを加えたポップスが実に風味絶佳。何十年も前から存在していたかのような名盤感に驚かされました。 *田中

シンガポール出身のマルチな才能がニンジャ入りして届けた3作目。エレクトロニカ×シューゲイザーの繊細な煌めきを注いだ音作りは以前よりも整理され、岩井俊二の映画「花とアリス」からのカヴァーも印象的だった。 *出嶌

過去作の全否定は悲しいが、それほどの決意で挑んだ独立作なのであろう4作目。真正面からラップに回帰し、バカラック名曲“Walk On By”使いもハマった“Paint The Town Red”は“Say So”以来の全米1位を獲得! *出嶌
沖縄拠点のトラックメイカーが地元の民謡をダブ化したユニークな逸品。レゲエにアンビエントと多彩な音響処理を施した結果、民謡の歌い回しがDJのシャウトにも聴こえてくる。新感覚だ。 *田中
確かな演奏力と豊かなアイデアにトリオ・バンドの旨味が溢れる。メジャー2作目は多彩なヴェクトルを示しつつ、アイデンティティーがより強固になった印象だ。不思議な三角形をポップに昇華! *田中
1月の『映帶する煙』から、8か月で届いた2作目。前衛的な音作りのなか、ゴーストリーな歌が浮かんでは消える。ジャズ畑からの歌モノへのアプローチでは、君島も参加した細井徳太郎『魚_魚』もお忘れなく。 *田中

アイスランドと中国の血を引くシンガー/ソングライターの2作目で、ジャズやクラシックの素養を自然体で纏った穏やかな歌声の奥行きが何より特別ですぐ惹きつけられた。ビリー・アイリッシュらの賞賛にも納得。 *出嶌

モーリッツ・フォン・オズワルド・トリオの活動を経た5年ぶりのソロ作は、ハイパーダブ時代から一変したアンビエント~ドローン音源。エレクトロニクスに自身の鍵盤と声、弦楽隊も交えた魅惑の音像に幻惑されまくり。 *出嶌
パッションに溢れる生々しいサウンドで野心的に独自性を貫いたメジャーでの初アルバム。メンバー脱退/加入のドラマ性や個々の懸命な存在感が、“Fleeting”に顕著な剥き出しの人間味と共に胸に迫ってきた。 *出嶌

FCバルセロナがベロ出しロゴ入りのユニフォームを着用するなどキャンペーンの規模感も破格だった18年ぶりのオリジナル作。一枚の作品でワールドカップみたいに盛り上がる――こんなバンドいない。 *田中

2023年はサブトラクトやクウェズらのコラボも目立っていたサンファ。聖性を湛えた声で雰囲気を染め上げる魔法は、トラック制作により深くタッチしたこの6年ぶりの2作目でさらに密度の濃い歌空間を創出していた。 *出嶌

ペルー出身の彼女は、パーカッシヴなリズムにコンパクト作品を思わせるテック・トランスのレイヤーを重ね、多くのアンセムをフロアに届けてきた。近年のニンジャはハウスに力を入れていますね。 *田中
年輪が刻まれまくったロック・サウンドに滲む色気は変わらずとも、大田が初めて曲を書くなど、ここにきてまた新境地を開拓。90年代の彼らにあった甘酸っぱさや瑞々しさが戻ってきた感覚もあって。 *田中
メジャーでの3作目はトリオでの演奏に力点が置かれている印象で、それゆえメロディーの良さやロックならではのカッコよさがストレートに伝わってくる。2024年には横浜アリーナ公演を開催! *田中

オリヴィア・ロドリゴのツアー・サポートも務めたUKの23歳が〈サマソニ〉出演を経て放った初フル・アルバム。ダーク・ポップな意匠と率直な詞世界で描いた闇の形もまた現代的で。 *出嶌
既発曲=ヒットソングを盛り込みつつ、インタールードや別テイクを挿んだロック・オペラ調の作風に才気が迸る4作目。2024年に5大ドームツアーを控える彼らの王座は、いまだ揺るがなさそうです。 *田中
民謡に世界各地のリズムを混ぜることで、独自のエキゾチシズムを現出。メンバーが関わる〈BANANA HOUSE PARTY〉を含め、レペゼン福生なスタンスも素敵すぎました。音楽の理想郷は案外、近くにあるのかもよ? *田中
再録作『後日改めて伺いました』と同じくサプライズで届けたこの年2枚目のアルバム。田渕ひさ子、ゆーまおに加えてさかしたひかる(ドミコ)や朝日(ネクライトーキー)、oniの助力も、表現世界の幅と角度を新鮮に広げた。 *出嶌

トム・ミッシュがダンス・ミュージックに特化した新プロジェクトの初作。名が体を表した表題曲やロバータ・フラックご本人を迎えた“Feel Like Makin’ Love”などスタイリッシュに紡がれたハウシーな昂揚感が眩しかった。 *出嶌

初の全豪1位に輝いた5年ぶりの3作目は、繊細なイメージを脱ぎ捨てて世の解放感を反映したダンス作品に。享楽的なハウスやエレポップが並ぶなか、2ステップな“Got Me Started”の軽さもいい感じでした。 *出嶌
令和を代表するポップスターの2作目は2枚組35曲収録の大作に。この数年にリリースしたヒット曲を網羅しつつ、新曲中心のDisc-1では現在のモードを提案しています。ロック回帰が2024年の道標となるか。 *田中

長らくアリアナ・グランデ曲を共作してきた才能がDマイルらの助力で大舞台に立った初のアルバム。サウス調の“On My Mama”やEW&Fとの70年代モードなど、グラミー云々はさておき伝統美をモダンに輝かせた名作。 *出嶌

バンド名がL7からという時点でグッときちゃいますが、男女ヴォーカルの掛け合い、メタル・リフとマッシヴな打ち込みのビートがせめぎ合う音は問答無用のカッコよさ。来日公演は絶対に目撃すべき! *田中



















