ドープ&神秘的すぎて良くも悪くも近寄りがたい雰囲気だったセルフ・プロデュースによる世界進出盤から4年、あのラスタ女子がまさかここまで開けた新作を放つとは! コフィ仕事で名を上げたテフロンや重鎮クライヴ・ハントら外部の手を借りることで、ファンクやジャジー・ダブなど曲調の幅も広がり、主役のヴァーサタイル性がわかりやすく表面化。とりわけ嬉しい驚きは、クロニクスやプレッシャー客演曲で聴ける柔らかな歌唱でしょう。ポエトリーと歌、裏声と地声を自由に行き来するスキルフルなマイク・パフォーマンスに、激情だけじゃなくちょっとした心の揺れも描き出す豊かな表現力が加わり、聴き手のハートを掴んで離しません。早くも今年のNo.1レゲエ作品と出会ってしまった気が……。最高です。