おすすめはエストニアの民謡を題材にした「最北のエレジー」の最終曲“丘を見上げて”。氷の結晶が舞うような、絶美の音世界。耳にしたら忘れることができない感動を生んでいる。今はエストニアの作曲家が注目。アルヴォ・ペルトに続く才能も豊富で、その代表株がトヌ・コルヴィッツである。ECMレーベルでの“ミラー”で名を上げた。このオーケストラ作品を集めたアルバムでも暗い、ひんやりした感触、弦楽器のピチカートなど独自の浮遊感とリズム感が光っている。“青”“カプリを離れて”では濃密な弦の歌が、“沈黙の歌”はバス・クラリネットがチェロを彷彿とさせる音色を奏でて、東洋的な雰囲気が魅力。
リスト・ユースト(Risto Joost)、エストニア国立交響楽団『トヌ・クルヴィッツ(コルヴィッツ):北欧の光への讃歌』暗い、ひんやりした感触や独自の浮遊感とリズム感が光るオーケストラ作品集
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