エストニアの作曲家トヌ・クルヴィッツによる、2019年に初演された1時間を超える合唱と弦楽オーケストラのための作品。内容はイタリアの詩人チェザーレ・パヴェーゼの詩を引用したもの。透徹した音色、美しい旋律が緊張感を保ち奏でられる。全8曲で構成され、詩の原題がそれぞれの曲に表記されている。おすすめはトラック6の合唱、独奏チェロと弦楽のための第5曲“あなたもまた愛”とトラック9のメゾソプラノ独唱と弦楽のための第7曲“最後のブルース、いつの日か読まれるように”。前者のチェロと合唱が対話する神秘的な響き、後者の弦楽のピッチカートにより奏でられる独特のリズムが印象的だった。