甘美な旋律で聴き手を恋に落としてしまうドビュッシーのピアノ作品。その名演も楽曲同様数知れずだが、このアルバムを聴くと1人の偉大な作曲家の才能を更に知らしめられる。ドビュッシーの研究家、ロバート・オーリッジによる補筆、編曲をGrand Pianoレーベルにフィリップ・グラスのピアノ・シリーズ等を録音しているニコラス・ホルヴァートが演奏。23分25秒に及ぶ“忘れられた前奏曲”はどこかしら印象画家の作風を感じさせられる。一方でナレーション付きの歌劇『鐘楼の悪魔』は斬新で驚嘆させられる1曲。収録楽曲中ほとんどが世界初録音。ドビュッシー好きなら、この1枚はじっくりと聴いておきたい。