約6年ぶりの新作となる3作目。和の情緒を孕んだ言葉と地に足の着いたサイケでフォーキーなアンサンブル、何気ないようで練られた旋律とが有機的に絡み合い、珠玉のロック/ポップスとして結実している。だが、そのスタンダードな風格を備えたサウンドが、時に日常を切り裂くように見たことのない風景をも現出させるのだ。ふと耳にしたはっぴいえんどがなぜか新しく響く、そんな瞬間を掴もうとしたようにも感じられる一枚。