uminecosoundsとして支持を集めてきた古里おさむが、元シャムキャッツの藤村頼正、藤村と学友であった臨済宗(禅宗)の僧侶、樋口雄文と結成した古里おさむと風呂敷き。今春から活動をスタートした彼らがセカンド・シングル“焚火”を発表しました。6月に配信され、その後限定店舗でカセットを販売したファースト・シングル“流水”と同じく、リリース元はGotchが主宰するonly in dreams。歴の長いミュージシャンと僧侶という異色に見える組み合わせの3人組ですが、仏教への関心で繋がったそう。
「僕は初期のシャムキャッツを手伝っていたり藤村くんとは古いんですけど、最近になってお互い仏教に惹かれていることがわかり、それから(樋口)雄文くんを交えた3人で鎌倉の円覚寺に行ったり、交流を深めていったんです。その頃、僕は〈地に足の着いた音楽をやりたい〉と思っていて、この2人とだったらそういう演奏をできそうだなと誘いました」(古里おさむ)。
「仏門に入って以降、15年くらいベースを弾いていなかったので、最初は迷いました。でも、おさむさんから〈上手い人を求めていない〉と言われて、それなら大丈夫かなって。加えて“流水”を聴いたとき、この曲を弾きたいなと思ったんです」(樋口雄文)。
そんな“流水”は、「水のようにさらさらしているけど、強さも感じさせる」(藤村頼正)という、滋味に溢れた歌心と、ゴリッとしつつも不思議と瑞々しさを感じさせる演奏が魅力のギター・ロック。録音やミックスを手掛けたGotchがラップを乗せたリミックスも話題を集めました。そして、このたび発表された“焚火”は、グルーヴィーなリズム・アンサンブルと浮遊感を漂わせるメロディーがサイケデリックな感覚を喚起させます。
「舞い上がる火の粉やゴツゴツした薪木という焚き火のイメージからドラムの演奏は導かれました。序盤は少し神聖すぎる気がしたので、後半にノイジーな展開も加えて」(藤村)。
「お盆の迎え火や送り火を見るのが子どもの頃から好きなんですけど、火を見つめると人生や人類史に思いをめぐらせたりしますよね。“焚火”はそういう経験から自然と出来た楽曲です」(古里)。
「感情や意思ではなく、情景をありのままに歌っているところが禅の考えに近いと感じました」(樋口)。
すでにアルバムも完成させているという彼ら。今後の活動について古里はこう語ります。
「ファースト・アルバムは、自分が長く抱いていた構想を具現化できた作品になりました。それを多くの人に届けたいですし、未来の知らない人が僕らの曲を歌っていたらいいなと思っています」(古里)。
古里おさむと風呂敷き:古里おさむ(ヴォーカル/ギター)、樋口雄文(ベース)、藤村頼正(ドラムス)から成る3人組バンド。2024年春に結成され、このたび配信シングル“焚火”を発表したばかり。