俳優の世界だと子役から入ってそのまま大人の俳優に、というパターンがあるが、ジャズの世界では極めて少ない。奥平真吾はまさにその数少ない一人。デビューは11歳、以降42年、ジャズ・ドラマーとして国内外で活躍。本作は自身のバンドTHE NEW FORCEにギターを加えたクインテット編成で聴かせるダイナミックなストレート・ジャズ。アート・ブレイキーをアイドルとする奥平のドラムスに各メンバーのヴィヴィッドなプレイが光る。ジョビン、スタンダード、自身もしくはメンバーのオリジナル曲、エレピを導入したハンコックの “ドルフィン・ダンス”など、〈本物〉のジャズをじっくり聴かせる。