マリ出身のデザート・ブルース・バンドによる待望の3年ぶり3作目。プロデュースはUSインディー・バンドのチャベスやスーパー・グループのズワンにも参加したギタリストのマット・スウィーニー。そんな彼の影響なのかラウドなギターが目立ち、アコースティック・ブルースやフォーク調の曲は少なめ。アフリカ音楽の要素は残しつつもマス・ロック、ブルース・ロックの色合いが濃く、変調子のギター・リフでガンガン攻める――その振り切った感が非常に気持ち良い。各プレイヤーの演奏もさらに凄みを増しており、パートごとに聴いても楽しめるが、好き勝手に弾いているようで最高の統一感を作り出しているのは流石。間違いなく過去2作よりも〈ロック〉を感じさせる快作だ。