45周年! 素晴らしき哉、ギター人生!

 17歳で衝撃のデビューを飾り、現在もなおトップ・ジャズ・ギタリストとして活躍中の渡辺香津美。ギター生活45周年を記念し、ジャンルを超越した豪華ギタリストたちが参加したデュオ・アルバムが完成。

渡辺香津美 ギター・イズ・ビューティフル KW45 WARNER MUSIC JAPAN(2016)

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 「いろいろ考えましたが、自分がデビューした頃から出会ってきたギタリスト、近年になって知り合ったギタリスト、それでいてジャズ以外のフィールドで活躍している人たちと何かを作ろうと思いました。基本ギター2人だけのデュオで、僕のプライヴェート・スタジオに来てもらって『せーの!』で録るというスタイル。ギターという楽器がこれだけ多様性があって、弾く人や世代、ジャンルによってこれほどサウンドが違って、素敵な楽器なんだな、と今回再認識しました」 

 リー・リトナーマイク・スターンChar押尾コータローSUGIZO伊藤ゴロー生形真一Nothing’s Carved In Stone)、三浦拓也DEPAPEPE)、沖仁高田漣井上銘。レコーディングでは初共演となったギタリストが多い。曲はカヴァーあり、多彩なオリジナルもあり。

 「SUGIZOくんは最初から《ラウンド・ミッドナイト》をやるというのが決まっていて、エフェクトを駆使して爆音でやったり、生形くんとは自らオリジナル曲を書いてきてくれて、そのアコギ共演になりました。同世代のリトナー、マイク・スターン、Charの3人はやっぱり今回のアルバムを作る上ではずせない人たちでした。マイクなんかは、ジャズ・ギターの基本に戻って、ジム・ホールの精神でやろう、なんてセンシティヴな一面を見せながらも、弾き始めたら最後はイケイケでしたが」

 最後の曲はミノ・シネルのパーカッションによるシンプルなグルーヴを元にしたバッキング・トラックの上を今回の参加者全員によるメドレー(!)という大胆なナンバー。各プレイヤーの小粒で濃いプレイが連続する様は圧巻だ。ちなみに5月20日には、『ギター生活45周年祭 ~Guitar Is Beautiful Special~』の開催が予定されており、今回の参加メンバーや、あっと驚くゲストたちとの、アルバム以上の豪華パフォーマンスもありそうだ。

 「45周年というところで思うのは20代の頃はまだ時間があるので先のことなんて考えたこともなかったのですが、60代になると、さすがにあと何年弾けるかな、と思います。自分がどれだけギターのことを楽しんでいるか、楽しめるか、そしてどれだけギターと寄り添っていけるのかな、と。今回いろいろな人とやって僕も知らなかったギターの魅力を知ったので、またいい出発点になったかなという気がします」

 


LIVE INFORMATION

渡辺香津美ギター生活45周年祭~ Guitar Is Beautiful Special ~
○5/20(金)18:30開演 
会場:Bunkamura オーチャードホール
出演:伊藤ゴロー(g)井上銘(g)生形真一 from Nothing's Carved In Stone(g)沖仁(g)押尾コータロー(g)菊地成孔(sax)SUGIZO(g)高田漣(g, vo)本田雅人(sax)三浦拓也 from DEPAPEPE(g) 村治佳織(g)笹路正徳(pf, key)ヤヒロトモヒロ(perc)井上陽介(b)
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