映像的な音と言葉で受け手の気持ちをポップに肯定する話題の5人組が、ついに初の全国流通作品をリリース! 居場所のないあなたに添える音楽とは?

日常のドラマティックな瞬間

 〈居場所のないあなたに添えるポップミュージック〉を掲げる5人組、daisansei。TVの制作会社を辞め、楽曲をアプリなどに投稿しはじめた安宅伸明(ヴォーカル/ギター)が、ネットの掲示板で脇山翔(キーボード)と出会ったことをきっかけに活動がスタートし、今年に入って、川原徹也(ドラムス)、フジカケウミ(ベース)、小山るい(ギター)というラインナップが揃うと、バンド名を〈大賛成〉から〈daisansei〉に改名し、現在に至る。

 「中2のときに『ミュージックステーション』にくるりとRIP SLYMEがコラボで出てて、そのときのくるりの存在感がすごくカッコ良く見えたんです。普通ラッパーとのコラボっていうと、サビで歌う感じだと思うんですけど、メガネかけたおじさんがずっとコーラスをしてて(笑)、これだったら俺もやりたいし、やっていいような感じがして。そこからの初期衝動で、ずっと続けてる感じはありますね」(安宅)。

 「最初にデモを聴いたときから、やりたいことがたくさんあるんだなっていう印象で、将来的にオーケストラが入ってもおかしくないような、いわゆるバンド然としてないデモも結構あったんです。なので、〈フレキシブルにいろんなことに挑戦できるメンバーが集まるといいね〉って話はずっとしていて、ようやく今のメンバーに落ち着きました」(脇山)。

daisansei 『ドラマのデー』 Eggs(2020)

 このたびリリースとなった初の全国流通盤となるファースト・アルバム『ドラマのデー』には、2019年にデジタルで発表した『箱根』と『ショートホープ』からの再録、2020年に4か月連続で配信したシングル曲、書き下ろしの新曲を収録され、これまでの活動の集大成にして、新たな一歩となる作品に仕上がっている。

 「日常のドラマティックな瞬間を切り取ったアルバムという意味で、『ドラマのデー』というタイトルにしました。僕は東京03のコントみたいな、〈どこ切り取ってんだよ〉って曲が作りたくて。そういう切り取り方をすれば無限に曲が出来るじゃないですか? これからもそれをやっていきたいっていう、決意表明のタイトルと言えるかもしれない」(安宅)。