DJ KAORIにとって、CDデビューから20周年にあたる2020年。彼女がリリースしたのは、ディズニー・ミュージックをフィーチャーした『DJ KAORI DISNEY MIX』だった。“Into The Unknown”のDJ KAORIによるリミックスで封切られる本作は、ポジティヴなメッセージの作品が多くチョイスされ、コロナ禍で鬱々としている世の中に光となる1枚。

〈なぜこのタイミングでディズニーなのか〉という話を封切りに、現行のクラブ・シーンやフィメールDJという立ち位置について、思っていることを赤裸々に語ってもらった。

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世代を超えて楽しめるディズニー・ミックス

――今までのKAORIさんの作品は、洋楽やK-Popなどエッジーなもののミックスが多かったかと思います。なぜ今、ディズニーのミックスなのでしょうか。

「DJ KAORIも、2020年でCDデビューから20周年。私の音楽を最初から聴いてくれていた人たちも大人になったので、子どもと一緒に楽しめる1枚があってもいいかなと。ディズニーって、世代を超えてみんなで楽しめるじゃないですか」

――たしかに。作品を観たことがなくても、曲だけは知っていたりもしますよね。

「“Let It Go”とか、子どもに聴かせたら〈「アナと雪の女王」だ!〉ってなるし、大人が聴いても感動しちゃう。このコロナ禍で家族や親しい仲間で集まることも増えたと思うので、そういうシーンで聴いてもらえたら嬉しいなって」

『DJ KAORI DISNEY MIX』収録曲イディナ・メンゼル“Let It Go (Papercha$er Club Remix)”

――個人的には“We’re All In This Together”から“Try Everything”の流れが最高すぎて……。

「その辺の曲って、メッセージがすごいポジティヴだよね。“Try Everything”もそうだけど、〈失敗しても大丈夫〉って今の時代に必要なマインドだし。みんな心が疲れたり落ち込んだりしているときだからこそ、響く歌詞だと思います」

――ディズニーって曲もアレンジも膨大にあると思うんですけど、選曲はどのようにされていったんですか。

「洋楽・邦楽問わず、CDに合う曲とリミックスを選んでいった感じです。例えば“Beauty And The Beast”は、ミックスCDにいれるならノリノリなCREAMの曲がいいなって。楽しみやすさを優先して、自分が上がる流れで組んでいきました」

――〈ここは上がるぞ!〉っていう、オススメポイントはどこですか。

「最初の“Into The Unknown”から“Let It Go”の流れも、もちろん上がるし……。May J.ちゃんの“Let It Go”のミックスも、すごくエモーショナルな感じでよくて。そこからの“It’s a Good Time”“I Wanna Be Like You”の流れが、またいいんですよ。Little Glee Monsterの歌が上手いし、曲のアレンジもかっこいい。そのままドンドン上がっていくので、最後の“Speechless”まで楽しめると思います」

『DJ KAORI DISNEY MIX』収録曲“It’s A Good Time”

『DJ KAORI DISNEY MIX』収録曲ナオミ・スコット“Speechless”

――ストリーミングでのリスニングが主になっている時代ではありますが、1曲1曲の魅力を嚙みしめるためにCDで聴きたいですね。

「もちろんコンピューターでも楽しめますし、ストリーミングでも配信します。でも、希望を言えばCDで楽しんでもらいたい! ジャケットも可愛いのでね」

――部屋に飾りたくなるようなアートワークですもん。どのようなイメージで、デザインを進められたんですか。

「〈ジャパン・カワイイ・カルチャー〉をレプリゼントしたかったんです。アメリカのキャラクターってクセが強いけど、日本のキャラクターって可愛いんですよ。それって実は、すごいこと。村上隆さんがカニエ・ウェストとキッド・カディのコラボ・プロジェクトのカヴァー・アートを手掛けたりしているように、アートとしても〈ジャパン・カワイイ・カルチャー〉は評価されているので。なるべくマンガチックなキャラを採用して、日本のカワイイが伝わるデザインを目指しました」