〈ベスト・クラシック100極〉全面リニューアル――イメージ・キャラクターは「東大王」でおなじみの鈴木光!

 ソニー・ミュージックの定盤シリーズ〈ベスト・クラシック100〉はラフマニノフ、カザルスなどの伝説的録音からクルレンツィス、パーヴォ・ヤルヴィをはじめとする時代の最先端を行く音楽家の名演が一堂に会し、シリーズ内で同曲異演の聴き比べもできるラインナップにより好評を得てきた。今回4年ぶりに顔ぶれの刷新と新しい高品質CDの導入が行われ、〈ベスト・クラシック100極〉としてリニューアル。

 そして本シリーズのイメージ・キャラクターはTBS系 「東大王」でおなじみの鈴木光さん。4歳からピアノに親しみ、現在は勉強の合間にクラシック音楽を聴くという鈴木さんは100タイトルの中から次の3枚を特にプッシュしている。

五嶋みどり 『パガニーニ:カプリース(全24曲)』 Sony Classical(2020)

 1枚目はヴァイオリニストの五嶋みどりの『パガニーニ:カプリース(全24曲)』。鈴木さんによれば「作曲したパガニーニはヴァイオリンの名手として有名で、だからこそ生み出せた曲だと感じる。本当に超絶技巧、上手い人でなければ弾きこなせない曲ばかり。それを凄く軽快に美しく五嶋みどりさんが弾いていて素敵だなと思います」。

SERGEI RACHMANINOV,LEOPOLD STOKOWSKI 『ラフマニノフ自作自演~ピアノ協奏曲第2番&第3番』 Sony Classical(2020)

 2枚目はラフマニノフの自作自演による『ピアノ協奏曲第2番』。「聴いた時に独特な音だと思って好きになった曲」という鈴木さん。「入りの部分から低音の重厚感があって最初から最後まで引き込まれる躍動感、ドラマチックな感じがして好き」とのこと。

LORIN MAAZEL 『SICC-40025』 Sony Classical(2020)

 3枚目はロリン・マゼール指揮、フランス国立管弦楽団の『ホルスト:組曲〈惑星〉』。「特に“木星”が有名だと思いますけど壮大なスケール感を味わえて、曲ごとの個性がすごくあるし、それが惑星のイメージと重なるなと個人的に思います」と鈴木さんはその魅力を語る。

GEORGE SZELL 『ライヴ・イン・東京1970』 Sony Classical(2020)

 最後に筆者の推す1枚を。ジョージ・セル指揮、クリーヴランド管弦楽団の『ライヴ・イン・東京1970』。2020年に没後50年を迎えた世紀の大指揮者ジョージ・セルは亡くなる約2か月前に自身が鍛え上げたクリーヴランド管弦楽団と来日、音楽ファンや評論家の度肝を抜いた。その公演の1つ、1970年5月22日、東京文化会館における演奏会全体のライヴ録音。曲目はウェーバー:歌劇「オベロン」序曲、モーツァルト:交響曲第40番、シベリウス:交響曲第2番、アンコールのベルリオーズ:「ファウストの劫罰」からラコッツイ行進曲。セルは磨き抜いたアンサンブルで鉄壁のバランス、至高の透明度、そして深い陰影の覗く音楽を繰り広げる。ウェーバーとモーツァルトでは引き締まった様式美の中に時折大胆なテンポの緩急を入れ、ゾクッとさせる。シベリウスは清澄な質感で運びながら、要所になるとブワンと血のたぎりを表して聴き手の胸を焦がす。アンコールは心技体の総力戦で圧倒する。精緻さとあふれる情熱が高次元で具現化されたオーケストラ演奏の理想を堪能できる1枚。

 古今東西の名作、名演奏が集った〈ベスト・クラシック100極〉。皆さんの愛聴盤がきっと見つかるはず。

 


ベスト・クラシック100極
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