〈今〉に集中、〈マインドフルネス〉の呼吸!

 何かとストレスの多い現代社会に対処するスキルとして注目を集める〈マインドフルネス〉瞑想。元フジテレビ・アナウンサーの松尾紀子(NORIKO)はその実践者としても知られ、ラッセル・マインドフルネス・エンターテインメント社が手がけるメディテーションポッドやメンタリング瞑想アプリRussellMEのナレーションを担当。〈声の瞑想指導者〉としての活動も展開している。

 「〈瞑想〉と聞くと、悟りや人智を超えた大いなる存在との一体を目指す……といった難解なイメージを持たれる方もいらっしゃいますが、〈マインドフルネス〉は過去や未来にさ迷いがちな私たちの意識を今に向けることで、心身をリラックスへと導く方法論。例えば自然に息を吸ったり吐いたりする度に、 胸やおなかが膨らんだりへこんだりすることに静かに意識を向けていると、頭の中がそのことで満たされ、余計な思考や緊張感がとれてくる。先ずはこうした呼吸瞑想から始められて、誰でもすぐに実践できます」

 そんな彼女が監修を手掛けたクラシックのコンピレーション『Classic for Mindfulness』はNORIKOの声に導かれ、現代の人気コンポーザー・ピアニストのひとりであるチャド・ローソンの作品で幕を明ける。

VARIOUS ARTISTS 『Classic for Mindfulness ~人生を変える心のエクササイズ~』 ユニバーサル(2020)

 「元々ピアノの音色が大好きなのですが、チャドさんの曲は彼自身が闘病中に音楽に支えられ〈癒やされた〉経験があるだけあって、聴いた瞬間から目を閉じなくても、すっと瞑想の世界に導かれるのを感じました」

 他にもドビュッシーやブラームス、シューマンなどの名ピアノ曲がずらり。中にはラヴェル“鏡の谷”のようにどこか心に〈ひっかかる〉響きのある作品やベリオ“水のピアノ”のように少しエモーショナルな作品も含まれているのが面白い。

 「やはり人間社会で生きている以上、喜怒哀楽はあたりまえですし、良いことばかりが起きるわけではないのが現実です。例えばラヴェルを聴いて不安な気持ちになったのなら、なぜ今そう感じているのかゆっくり考えてみる。自分に負の感情があることを〈自覚〉することも、瞑想にはとても大切だと思うのです」

 ホルストの組曲『惑星』より穏やかな第2曲“金星”があるかと思えば、メンデルスゾーンの劇音楽『真夏の夜の夢』第7曲“夜想曲”のような壮大な楽曲も。

 「同じ曲でも1日の始まりと寝る前に聴くのでは、心の状態が違うので印象も変わるはず。自由な発想でイマジネーションを膨らませながら、このアルバムを楽しんでいただけたら嬉しい。コロナ禍で様々な人の意見が目の前で渦巻く世の中ですが、外側の価値観や刺激でいっぱいの頭をいったん休めて〈マインドフルネス〉と音楽で安らぎのひとときをお過ごし下さい!」

 


INFORMATION

○NORIKOも誘導瞑想で参加している、メンタリング瞑想アプリRussellMEは、シチュエーションに合わせた瞑想プログラムを展開。アプリストアで「russellme」と検索(初月無料)

www.russellme.com