北アイルランドのベルファスト出身、いまや次代のスタジアム級ダンス・アクトの地位を窺うまでになったプロデューサー・デュオの2作目。デビュー作から3年あまり、表現力を格段とアップさせたサウンドは堅牢なイーヴン・キックを軸としながらも極めて多彩。タイトルが表す通り、みずからのルーツやアイデンティティーを俯瞰したうえで深く追求し、それらに向き合うことで制作を進めたという。ひんやりとした空気が張り詰め、印象的なポエトリーが無国籍感を演出する先行カット“Apricots”、随所で女性ヴォーカルをアクセントにしながらも淡々と展開するベース・チューン“Saku”など、多くは語らずとも言葉以上にシリアスなメッセージを含んだトラックが、ずしりと響いてくる。