不変のバリトン・クルーナーが昨年のカヴァーEPに続いて放つオリジナル新作。ランディ・バウランドやアル・ターナーらの名手を従えてアダルトに迫る上質な音世界は安定そのもので、スムースなミッド・ダンサー、ジャジーなスロウ、ハウス調などを深い味わいで聴かせる。ただし今作は、黒人詩人/活動家が書いたポエムを引用するなど、昨今の社会状況を鑑みてメッセージ色の強い曲が並ぶ。デリック・ホッジも深い音に貢献。