Mikiki編集部員とTOWER DOORS担当・小峯崇嗣が最近トキめいた邦楽曲をレコメンドする毎週火曜日更新の週刊連載〈Mikikiの歌謡日!〉。連載100回を超え、5人が1曲を厳選し計5曲を掲載してまいります。 *Mikiki編集部
【鈴木英之介】
尾島隆英 “アカシア”
聴いてすぐ、完全に参ってしまった。フォークを基調とした音楽性で活動する東京在住のシンガー・ソングライター、尾島隆英の新曲。寂寥感を湛えたエレキ・ギターの音色と切なげにふり絞られるハイトーンの歌声に、胸をグッと掴まれてしまう。ニール・ヤング、ウィルコ、サニーデイ・サービス、羅針盤あたりの名前に反応する人には、まず間違いなく刺さる一曲だと思う。3月に発表された“季節外れの天使”も、この曲とはまた一味違う〈モダナイズされたアシッド・フォーク〉という風情で、やはり素晴らしかった。
今週は他にもadieuの“春の羅針”やmekakusheの“ばらの花”など、歌の力が際立った良曲が多く、1曲へと絞るのに苦労した。ここではスペースの関係上ちゃんと紹介できないが、それらもぜひチェックしてみてほしい。
【小峯崇嗣】
MÖSHI “Painting”
東京・NY・ロンドンの多拠点で活動するコレクティヴ〈Laastc〉の中心人物であり、ミュージシャンとファッション・デザイナーという2つの顔を持つアーティスト、MÖSHIが待望のニュー・シングル“Painting”をリリースしました。今までの彼のサウンドとは一線を画すような、洗練された鮮やかなポップ・サウンドに衝撃を受けました。そして、なによりMÖSHIのキレキレのラップと美しい歌声のコンビネーションが最高です。今回の“Painting”のティザー映像が彼のYouTubeチャンネルで公開されており、ヴィジュアル面でも圧倒されますので、併せてチェックしてみてください。
【田中亮太】
藤原さくら “Kirakira”
ソウル・ミュージックに気の利いた現代性をまぶしては、最高にカラフルなポップを生み出す。その点で、藤原さくらさんは日本のみならず世界を見まわしても、最上位にいる音楽家ではないでしょうか。〈20年代のクィーン・オブ・モッズ〉と勝手に呼ばせてもらっております。
【酒井優考】
ゆず “イマサラ”
マジで今の音楽つまんない。みんなもっと遊べばいいのに。ゆず先輩を見習え。
【天野龍太郎】
スカートとPUNPEE “ODDTAXI”
この一週間の一曲だったら、これしかないでしょう! な、スカートとPUNPEEのコラボレーション・ソング“ODDTAXI”。PUNPEEが音楽を担当するTVアニメ「オッドタクシー」のオープニング・テーマ・ソングです。それを抜きにしても、楽曲としての魅力は十分。最高です。特に澤部渡さんのソウルフルなコーラスなど、全体的に澤部さんのヴォーカリゼーションに新鮮味を感じます。〈澤部さんだなあ〉と感じる歌詞やメロディーと〈PUNPEEだなあ〉というラップやビートが共存しているのも感動的。ビートがそこまで強調されていなくて、澤部さんのリズム・ギターや2人の声でグルーヴを生んでいる感じもとにかく素晴らしい! 配信リンクはこちら。