
遺作として作ってる
――今回の『WILL NEVER DIE』というタイトルは、初作『NEVER DIE』(92年)と掛かっているんですか?
YOU「もちろんそうだし、あと、俺の周りのラッパーや仲間がどんどん亡くなって。DEV LARGE、ECD、ヒロシちゃん(DJ HIROnyc)、DJ KENSAW、OSUMI、Ita-cho、RYUHEI THE MAN……まだまだいて、マジかよ?みたいな。音楽ジャンルはいろいろあるけど、ここまではないと思うよ。みんな短命だよ」
――特に近年は相次いでいます。
YOU「今回、写真をcherry chill will.くんに撮影してもらったんだけど、とある墓地で撮影して、CDジャケットに墓が写ってる。もう死を意識してるんだよ。でも生きるぞ、俺は死なねえ!っていうメッセージを込めたかったんだ。あと、みんなそれぞれ苦しみはあると思うけど、死はひとりひとつ平等にあるから。そこに向き合った感じもあるね」
――そういう思いが裏テーマのようにあったと。
YOU「遺作として作ってる。そういう覚悟」
――先行カットの“MOVE THE CROWD, ROCK THE HOUSE”は、どういうイメージで作った曲ですか?
YOU「ハイエナジーっていうか、ユーロビートの手前っていうか。その頃のキラキラした感じ。俺が好きなシンセサイザーの音色とかをO.N.Oちゃんと話して作った曲。これは俺しか言えないような、ヒップホップに対する定義というかルールというかマナーというか、すごくシンプルなことを歌ってる」
――『THE☆GRAFFITIROCK'98』(98年のアルバム)のジャケの世界観を文字に起こすとこうなる、みたいな歌詞ですね。
YOU「そう。モロにそう(笑)」
――この曲を先行シングルにした意図は?
YOU「それはILL-BOSSTINOのアイデア」
BOSS「11年ぶりだし、どうやって展開していこうか考えたときに、YOUちゃんらしさと、11年間のストラグルな状況っていう2つの側面があるなと思ったのね。陰と陽というか。で、陰の部分は、これから先の話をするうえでまずは通らなくてはならない部分で、でもYOUちゃんが当時からやっていた陽の部分ももちろん大事なところで。陰の部分は“THINK ABOUT WHY YOU STARTED”のMVを作ると決めていたから、陽のほうは“MOVE THE CROWD, ROCK THE HOUSE”にして、あえて7インチを切って、ダンスフロアから攻めてみようと」
――7インチのB面“T.O.U.G.H.”は、陰の部分ですね。
YOU「こっちは、飛べなくなった状態というか、傷だらけのフクロウの状態を書いたんだよね。混乱してるというか、もがいてる。だけど、タイトルやフックはTOUGH。生き抜くぞと歌ってる」
――“T.O.U.G.H.”を最初に聴いたときに、LAMP EYEの“証言”を思い起こすビートだと思ったんです。そしたら最後に……。
YOU「ダメ押しで、こう使うか?っていうね(笑)。スクラッチは最後に入れたから、〈こうやって色が変わるんだ、締まるんだ〉みたいな感動があった。そこはILL-BOSSTINOのチョイス」
BOSS「スクラッチのネタは俺が全部チョイスして、DJ DYEにコスッてもらった。いろんなスクラッチが入ってるけど、あれから何かを使いたいっていうのはあったね」
――それをこの曲で入れたかった?
BOSS「というより、フックの、〈THANK YOU、ORIGINAL、UNIVERSAL、GLORY、HUMAN〉という言葉(の頭文字)が繋がって、〈TOUGH〉になるところから思いついた感じ」