OPUS OF THE YEAR 2021
[ 特集 ] 2021年の100枚+

どんな一年だった?なんて呑気に振り返るのも難しいかもしれない……でも、そこに鳴っていた音が、こんなアルバムたちと共にいい記憶として残っていきますように!

 


bounceの選ぶ2021年の100枚

PAUL McCARTNEY 『McCartney III』 MPL/Capitol/ユニバーサル(2020)

ロックダウン期の大きな収穫となった〈McCartney〉シリーズの第3弾。否応なく伝統の一人セッションを展開した円熟の作風は若者たちの再解釈盤にも発展した。ゲット・バックも楽しいけどポールは現在進行形なので! *出嶌

 

WHY DON’T WE 『The Good Times And The Bad Ones』 Signature/Atlantic/ワーナー(2021)

人気のボーイズ・バンドが活動休止期間を経て、演奏も担う〈バンド〉に発展してみせた意欲的なカムバック作。ジョナス兄弟や5SOSにも通じるマイルドさで時流にすんなりフィット。スマパン使いもハマっていた。 *出嶌

 

アイナ・ジ・エンド 『THE END』 avex trax(2021)

BiSH以外でも引っ張りだこなカリスマの初ソロ・アルバムは、亀田誠治のプロデュースでメランコリックな音風景をヴィヴィッドに描いた力作に。2作目『THE ZOMBIE』や数々のコラボも含めて出し惜しみナシの2021年でした。*出嶌

 

ARLO PARKS 『Collapsed In Sunbeams』 Transgressive/BIG NOTHING(2021)

前年からの磐石な評価に応えた、2021年のブライテスト・ホープと呼ぶに相応しいロンドンの新星による初作。美しくうつむいた感傷的な歌い口には抗し難い良さがあり、ブリット新人賞からマーキュリーに続いてグラミーにもノミネート中! *出嶌

 

PUMA BLUE 『In Praise Of Shadows』 Blue Flowers/BIG NOTHING(2021)

南ロンドンの地下ジャズ界隈から頭角を現したシンガー・ソングライター/マルチ楽器奏者による初作。メランコリーを浮かべた穏やかな歌唱がたゆたうジャジーなベッドルーム・ソウルは、〈凪〉のひとときを与えてくれる。 *土田

 

崎山蒼志 『find fuse in youth』 ソニー(2021)

ABEMAの番組企画で登場以来、絶賛を浴びてきた自作自演家は、本メジャー・デビュー作でオルタナなフォーク感覚をよりポップに開花。ドラマ/アニメの主題歌を次々と担うなど快進撃は続き、2022年2月には2作目も。 *土田

 

TAYLOR SWIFT 『evermore』 Republic/ユニバーサル(2021)

再録アルバムも順次リリースした怖いもの知らずの2021年ながら、そんな勢いも前年末に発表したハッピーな本作のアーティスティックな評価あってこそ。アーロン・デスナーとの縁から客演したビッグ・レッド・マシーン作品も収穫でした。 *出嶌

 

Awesome City Club 『Grower』 cutting edge(2021)

映画「花束みたいな恋をした」のインスパイア・ソング“勿忘”が大ヒットを記録し、〈紅白歌合戦〉へも出演。PESも客演した現体制での初作では、確かなアレンジャー陣と共にオントレンドなダンス・ポップも披露してみせた。 *土田

 

CELESTE 『Not Your Muse』 Both Sides/Polydor/ユニバーサル(2021)

エイミー・ワインハウスやエミリー・サンデーの登場時を思わせる周囲の盛り上がりを引き起こした、ブリティッシュ・ソウル新星の決定的な初作。レトロ調からモダンなスロウまでを滋味深く披露する姿はすでに風格もたっぷりで。 *出嶌

 

CLAUD 『Super Monster』 Saddest Factory/Dead Oceans/BIG NOTHING(2021)

フィービー・ブリジャーズのレーベルから発表したブルックリン発シンガー・ソングライターの初作は、シンプルかつ親密なメロディーが最大の魅力。ドリーミーな曲想に潜むインディー感覚も含め、次世代における期待の才能だ。 *土田