LAを拠点に十数人の若者が結成した自称〈ボーイ・バンド〉による2年ぶりのアルバム。ダニー・ブラウン参加のポッセ・カット“BUZZCUT”やGファンクを彷彿とさせる“WINDOWS”といった曲でオーセンティックなヒップホップ感覚を見せる一方、御大チャーリー・ウィルソンが歌う爽やかなR&Bの“I’LL TAKE YOU ON”や、美麗なゴスペル“DEAR LORD”まで内容は多彩。イケてる悪ガキたちの騒々しさと、個々に抱えた不安や内面を晒すメロウさを一枚のアルバムに並べ、全体的にはポップにまとめ上げた完成度は凄まじく、躁鬱的ながらポジティヴな包容力が感じられる仕上がりだ。すでに解散を仄めかしているようだが、中心人物のケヴィン・アブストラクトをはじめとする各メンバーの今後には期待がかかる。