アーロン・ネヴィルがツアーからの引退を表明したが、その息子アイヴァンや甥イアンらを擁するニューオーリンズの現行バンドが元気なのは頼もしい。7年ぶりの新作は、ゲストのマーカス・キングがギターを掻き鳴らすバディ・マイルス・エクスプレス“United Nations Stomp”や原曲に比較的忠実なスライ&ザ・ファミリー・ストーン“In Time”などのカヴァーを交えてダンサブルかつ重量感のあるファンクをかます。泥臭くグルーヴィーなインストにNOLAの伝統が滲むも、キレ味の鋭さは現代風。トロンボーン・ショーティを招いて反トランプを謳った4年前のプロテスト・ソングにチャーリー・ツナのラップを加えた“Justice 2020”は昨今の社会状況を踏まえた曲だが、それ以上に音を奏でる喜びに溢れているのが良い。