日本の音楽シーンにおける最大の激戦区で勝ち上がれ! レゲエとヒップホップの現場から名乗りを上げた三人のフレッシュな才能による初フル・アルバム、ついに完成!
激戦区で勝ちたい
ヒップホップ、レゲエを軸にしたサウンドで、J-Popのフィールドにおいて大躍進を果たした3人組ジャンルレス・ユニット、変態紳士クラブ。〈高校生RAP選手権〉やAbema TVの「ラップスタア誕生!」でその名を知らしめ、1%を拠点に活躍するラッパーのWILYWNKAと、数々のゲーム・チェンジャーを生み出してきた大阪のレゲエ・シーンの次世代を担うディージェイのVIGORMAN。そして、レゲエ・バンドのANADDA REBEL、YARD VIBES BANDの鍵盤奏者からプロデューサーに転じたGeGから成る彼らの前に、勢いを遮る壁はない。
「地元、大阪・堺のクラブで、フィーチャーしたラッパーとレゲエのディージェイがレゲエのバンドをバックに歌うという、ヒップホップとレゲエを融合させたイヴェントがあって。主催していた先輩から〈家が近いんだから来いや〉って言われて、当時、中学生だった自分がチャリンコで行ったら、そこでフリースタイルさせられたり、その時からVIGORMANとはずっと遊んでましたね」(WILYWNKA)。
いまとなってはスーパー・グループ然とした彼らだが、その出会いは各人がソロとして活躍するよりも遙か前。現場はもちろん、日常において長らく共有してきた遊びのノリが変態紳士クラブの土台となっている。
「結成のきっかけはタカ(WILYWNKA)とある先輩と一緒にご飯を食べてる時に、その先輩から〈お前ら、ずっと一緒におるのに2人の曲が1曲もないやん。作りいや〉って言われて。WILYWNKA & VIGORMAN名義の曲を1曲作ろうと。その時に聴かせてもらったのが偶然GeGのトラックだったので、そのまま当時は神戸にあったGeGのスタジオにいきなり押しかけました。その日のうちに2~3曲出来て、“WAVY”“すきにやる”が出来ていくなかで、これをシングルで出すより、もう何曲かがんばってEPの形にして、ユニットでもやる?って」(VIGORMAN)。
そうやって2017年に変態紳士クラブでの初EP『ZIP ROCK STAR』を完成させるのと並行して、3人はそれぞれのソロ活動も活発化。そんななかで初EPに収録された“すきにやる”、配信EP『HERO』(2020年)収録の“YOKAZE”が突出したヴァイラル・ヒットを記録したことも拍車をかけ、変態紳士クラブを取り巻く状況はダイナミックに動いていった。
「ソロでは堅いことをやってると思うんですよ。俺だったらヒップホップ、VIGORだったらレゲエ。そのスタイルから絶対はみ出したくないという謎のこだわりのもとやっているんですけど、変態紳士では〈これは譲られへんねん〉っていう頭でっかちな部分を全部ぶっ壊して、全裸になったような身軽さで何でもできてしまうっていう。ただ、変態紳士が勝負しているのは、ヒップホップやレゲエ以上の激戦区、J-Popやし、俺らはそのフィールドでも勝ちたいんですよ。そして、その活動を評価していただけたら、VIGORの根本にあるレゲエ、GeGがずっとやってきたバンド、僕が身を削ってやってきたヒップホップだったりが少しは信用してもらえるというか、そういうコアな方向に一人でも引き込められたら、微力ながらそれぞれのシーンにも貢献できるんかなって。と言ってもまあ、シーンのことより俺らのやりたいことをただやってるだけなんですけどね(笑)」(WILYWNKA)。