毎週火曜(歌謡)日に更新中の、Mikiki編集部員とTOWER DOORS担当・小峯による、最近トキめいた邦楽曲をレコメンドする週刊連載〈Mikikiの歌謡日!〉。今週は第57回です。紹介した楽曲はSpotifyのプレイリストにもまとめているので、併せてお楽しみください。 *Mikiki編集部

★〈Mikikiの歌謡日!〉記事一覧

Spotifyプレイリスト
 

【天野龍太郎】

田島ハルコ “うちで暴れな”

いまもっともアクチュアルで、リアルで、力強い、怒れる音楽家。2020年の“言うこと聞くよな奴らじゃないぞ”にして、2020年の“君はLOVE ME TENDERを聴いたか?”。“日本国銀行券”もあわせてどうぞ。

 

テニスコーツ “さべつとキャベツ”

これはほんとにびっくりした新曲。植野隆司さんのリリック、強烈です。こういった曲がどんどん出てくるいま、音楽は闘っているんだと思います。

 

横沢俊一郎 “誰にもわからない”

4月29日(水)にリリースされる新作『絶対大丈夫』から。大名曲! 〈絶対大丈夫〉(元ネタは「カードキャプターさくら」)って言葉、こんな状況のいまだからこそ響きますね。

 

mei ehara “昼間から夜”

5月13日(水)にリリースされる新作『Ampersands』から。レゲエですね。meiさんの歌がまたちがう表情を見せているのに驚かされます。

 

ドードー(dodo)“大人のうちだあやこさん”

完っ全に聴き逃していたので、約2か月遅れて紹介します。何度かこの連載で言及している、うちだあやこさんと不知火庵さんからなる2人組、ドードー(dodo)の新曲です。これは超名曲! 乾いたギターの音、不思議なメロディー、あとシンセ・ベースとフィルインに変なドラム・マシーンの音(?)が入っているのが最高です。この感じ、ミックスはuccelliさんなんでしょうか。

 

は、とり “昇降(memo)”

シンガー・ソングライター〈は、とり〉さんの新曲。〈正しくあることに安心している〉って、すごい歌詞ですね。先日のプレゼンは聴き逃してしまいました……。

 

「JP THE WAVY TOKYO DRIFT FREESTYLE 🇯🇵🌊」

最っ高のアルバム『LIFE IS WAVY』を世に問うたばかりのJP THE WAVYが、88risingのYouTubeチャンネルに登場。〈日本語ラップの限界突破が俺の役目〉。かっこいい!

 

ACE COOL “EYDAY”

広島・呉出身のラッパー、ACE COOL。KEN THE 390のレーベル、DREAM BOYから独立してリリースした去年のシングルがビデオになりました。Riou Tomiyama(Jinmenusagi)のノイジーなビートとACE COOLのハードなラップに打ちのめされます。

 

NENE “207”

大好きなNENEの新曲! 夜の闇の中を泳いでいくような、ブルーなR&B。太いベースとミュートされたトランペットの音が印象的です。

 

変態紳士クラブ “HERO”

4月30日(木)に配信されるEP『HERO』から。エモいディスコです。〈楽しいことばっかしてーな〉。ほんと、そうですね。こういう状況だと、いろいろな言葉が特別な意味を持っているように感じられます。

 

【小峯崇嗣】

AMIKO  “ダンスホール”

2週間前にこちらのコーナーで天野さんも紹介していましたが、改めてTOWER DOORSでもご紹介し、メール・インタビューも行いました。

多才なSSWのAMIKOの最新シングル。私自身、初めて聴いた時にこの曲の美しさに感銘を受けて自然と涙が出てきました...。そのくらいドラマティックで流麗な世界を表現した一曲です。

 

lulu “fromom”

出産後初となる新曲をリリースしたSSW、lulu。ローファイなアルペジオが印象的トラックとともに、お母さんとなった彼女から発せられる温かく包み込むような歌声。生まれたお子さんの未来に向けたメッセージだろうか、別れの歌詞ですが、勇気づけ心を一押ししてくれるハート・ウォーミングな一曲に仕上がっています。

TOWER DOORSでは昨年の9月にluluにメール・インタビューも行っています。音楽活動を始めたきっかけや影響受けたアーティストなど語ってもらっていますので、併せてぜひチェックしてみてください。

 

【田中亮太】

サニーデイ・サービス “春の風”

新たなトリオ編成になっての新作『いいね!』から“春の風”のミュージック・ビデオが公開されました。“セツナ”でおなじみ(?)の2回しMVとなった今回は、前編で主演を務めた藤江琢磨さんの全力疾走を、後編はバンドの野外での演奏をフィーチャー。いずれもやけっぱちでがむしゃらで、〈今夜でっかい車にぶつかって死んじゃおうかな〉と〈行きずりのだらしないkissで ぼくを目覚めさせて〉が隣り合うこの曲に、とても似合っているのです。

 

GEZAN “証明”

新型コロナウイルスの影響により存続の危機に直面しているという大阪の老舗ライブハウス、難波BEARSを支援すべく、GEZANがBEARSとゆかりのあるアーティストを集めたオムニバスCD『日本解放』を作成しています。参加のラインナップなど詳細はこちら。この“証明”は、そこからの先行曲。残響と歪みで埋め尽くされた音の壁に反射する〈人間とは何か ここで証明しよう〉。言葉の切実さに〈僕は死ぬように生きていたくはない〉ってフレーズをまた思い出したり。

 

YONA YONA WEEKENDERS “遊泳”

ポップ音楽を聴く4分間くらい現実逃避したっていいのかな。

 

大石晴子 “ランプ”

またしても極上のウォーム・ソウルな大石晴子さんの新曲。各楽器の音色がとてもリッチで、どうにも曇りがちな最近の心に、豊かな色彩をもたらしてくれます。カップリングの“巡り”もハンドクラップや足踏みの音が印象的な名曲。

 

When『Live album “23/10/19 "』


5月リリースの新作『At The Beginning』も楽しみすぎるTHE NOVEMBERSのギタリスト、ケンゴマツモトと、ソロ・アーティストのVelladon、エンジニアの君島結が新しく始めたバンド、When。彼らが初音源としてライブ・アルバムをBandcampでリリースしました。18曲を収録。上記の埋め込みはダイジェストになります。ポスト・クラシカル的な鍵盤やハーシュ・ノイズ、IDM的なビートが交差する、緊迫感に溢れたサウンドスケープ。心地よくなく寄り添わない、リアル・エレクトロニカに痺れました。

 

BACK DROP BOMB : Micromaximum Live 2019/12/22

ミクスチャー史に輝く金字塔『Micromaximum』のリリース20周年を記念して、昨年12月に行われた東京・渋谷WWW Xでのライブ。同公演の模様が、50分近くのダイジェスト映像として公開されました。ASPARAGUSの渡邊さんやtoeの山嵜さん、チャーベさんら歴戦の盟友たちをゲストも迎え、激マッシヴな演奏を繰り広げています。かっこいい……。久しぶりに『Micromaximum』をレコード棚から引っ張り出しちゃいました。映像は限定公開みたいなのでお早めに。

 

Ratchild “Psycho Logical Trauma”

この曲を聴いて、『Micromaximum』をふたたび棚にしまいました。

 

映画「MOTHER FUCKER」

4月20日(月)まで映画全編を小岩BUSHBASHのYouTubeチャンネルで限定公開中。広く知られることのない音楽やシーンと繋がりながら生きている最高な人々、最高な家族がいるんです。友達と会えない、飲み会もできない、そんないまこそ「MOTHER FUCKER」観ましょう。

 

【酒井優考】

シギ “弱者”

〈幸せを運ぶ鳥〉の名を持つ彼女のことは、中学生で弾き語りをしていたころから個人的にずっと知っていて、そこから華々しくメジャーデビューして、有名なアニメや映画の主題歌を歌って、しかし病気で音楽活動を休止して、そこからまた一人で立ち上がって……っていうのをずっと見てきました。でも、ずっと変わってない。自分のことを〈弱者〉だと思っているような、いま苦しい人にこそ聴いてもらいたい曲です。

 

チャンポンタウン “Giant step (LIVE)”

梅田シャングリラ、行ったことないから行ってみたいな……。

 

kiarayui “Strawberry Moon”

そのチャンポンタウンのkenさんがサウンドプロデュースした、HALLCA(冨永悠香、ex.Especia)とのコラボ曲。蝶の鱗粉がキラキラするような音がステキ。

 

ペンギンラッシュ “turntable”

去年の『七情舞』が個人的に大ヒットしたペンギンラッシュがついにメジャー・デビュー! その配信シングル1曲目が、あえて例えるならコーネリアス(というよりsalyu × salyu)のようなサウンドからパッと開けるサビで最高でした。ファーストシングル収録曲“ターンテーブル”のアレンジらしいけど、そっちの音源も聴きたいです……(ハマった頃には売り切れでした)。