
ポップ・カルチャー・イベント〈@JAM〉とタワーレコードによるコラボレーション・レーベル〈MUSIC@NOTE〉より2021年6月29日にリリースされたCROWN POP、5作目のシングル『なりたいガール』は、〈ライブ盤〉と〈マスク盤〉の2形態。付属のフォトブックとカップリング曲が異なる2形態だが、そのうち〈あなたのマスクになりたい〉というフレーズにドキッとする表題曲“なりたいガール”と、キャッチーなサビの〈マスク盤〉カップリング曲“NARIYAMANAI”の作詞作曲は〈SUPER J-POP UNIT〉ONIGAWARAが務めていることでも話題だ。
そこで今回はCROWN POPとONIGAWARAによる7者対談を実施し、曲提供の経緯や各メンバーからONIGAWARAへ楽曲についての質問など、『なりたいガール』を深堀りする。 *Mikiki編集部
コロナ禍ならではの片思いソング
――CROWN POPのニュー・シングル『なりたいガール』の表題曲を、ONIGAWARAさんが手がけることになった経緯を訊かせてください。
三田美吹(CROWN POP)「2020年1月に行われたイベント〈「ミューコミプラス」 presents スタプラアイドルフェスティバル~今宵、シンデレラが決まる~〉で、私がシンデレラに選ばれて、毎週水曜日に吉田尚記さんのラジオ番組『ミュ〜コミ+プラス』のアシスタントとして出演させていただきました。そこにゲストでONIGAWARAさんが来てくださって、番組中に、曲を書いていただきたいですという話題になりました。ONIGAWARAさんがすごく優しくて、ぜひと言ってくださったのがきっかけです。そのあとはスタッフさんたちが連絡を取ってくださって決まったと思います(笑)」
竹内サティフォ(ONIGAWARA)「そうですね(笑)。そこからちょっと経ってメールをいただき、〈ほんとに来た、やったー!〉と思ってお話が進み曲を書かせていただきました」
斉藤伸也(ONIGAWARA)「僕、〈スタプラフェス〉で三田さんがシンデレラになるところを見てましたよ」
三田「そうなんですか!」
斉藤「僕らukka(桜エビ〜ず)に曲(“それは月曜日の9時のように”“ウノ-ウノ”)を書いていたので〈スタプラフェス〉を観に行ってたんですよ。ラジオで三田さんに会った時も、シンデレラの子だ!って思ってました(笑)」
――(笑)。では、“なりたいガール”はどのように制作されたのかを聞いていきましょう。
竹内「制作が始まる前に、コロナ禍の片想いみたいな胸キュンソングを作ろうってテーマをいただいたんですよ。僕は基本的に自分が思ってないことは書けないので、コロナ禍の片想いってどんな感じかな?って考えたんです。今って、人と会っても絶対マスクしてるから顔が分からないじゃないですか。身近な人じゃないとあまりマスクを取って中身を見ることがない、片想いしたら僕は絶対見たいだろうなと思って、まずマスクってキーワードを置いてそこから歌詞を着想していったんです」
クラポ一同「へ〜〜(感心)」
斉藤「音に関しては、編曲してる時に『(美少女戦士)セーラームーン』をめちゃくちゃ観てたんですよ。だから、いつもよりめっちゃかわいい音になってすげー満足してます(笑)。ちょうど5人だしね」
藤田愛理(CROWN POP)「確かに!」
――“なりたいガール”はコミカル要素もあって、今までのクラポの曲とちょっと雰囲気が違いますよね。クラポのみなさんは、最初どんな印象がありましたか。
三田「今までも片想いソングはありましたが、ここまで弾けた感じの曲は無かったので、初披露する時に、お客さんにどう受け取ってもらえるんだろう?とすごくワクワクしました。かわいらしい曲だし、それをどう自分たちのものにしていくのかが新しい挑戦でした。歌うのが楽しみでした」
雪月心愛(CROWN POP)「私は、〈マスク〉〈オンライン〉〈ソーシャルディスタンス〉とかコロナ禍ならではのワードたくさん詰まっていて、こういう状況でもみんなで楽しめる曲ができるのではないかと、とてもワクワクしました」
里菜(CROWN POP)「CROWN POPの曲で同じフレーズを繰り返す歌詞は今までなかったので、聴いた瞬間にビックリしました。〈なりたい〉って誰の耳にも残るフレーズをどう歌おうかなどたくさん考えました」
藤田「私はとにかく歌詞にビックリしました。今までの私たちの曲はカッコいい感じの曲が多いので、新しいなと思ったし、これが私たちの持ち曲になるんだ、どういう感じで歌ったらいいんだろう?といろいろ考えました」
田中咲帆(CROWN POP)「私は事前情報として、かわいくて片想いの曲だよって聞いていました。そしたら〈マスクになりたい〉って、そう来るか!とすごく驚いたし面白いなと思いました。何度も聴きたくなるような素敵な曲だなと思いました」
――今回、レコーディング・ディレクションもONIGAWARAさんにやっていただいたということですが、実際レコーディングはどんな雰囲気で進んだんですか。
斉藤「実は、曲の初披露がレコーディングの前(2021年5月2日、東京・Zepp Tokyoでの配信ライブ〈CROWN POP STYLE〉)だったんですよ。僕らも配信ライブを観させてもらって、よかった、歌のうまい子たちだと思いましたね。レコーディング前にこんなに仕上がってるんだったら、めっちゃいいねって」
竹内「安心しました、ほんとに」
斉藤「これはレコーディング早く終わるぞって(笑)」
クラポ一同「アハハハ(笑)」
斉藤「実際のレコーディングも最高でしたよ。みんないい仕事してくれたと思います」
竹内「ね。みんなめちゃくちゃ個性的で、誰ひとり同じ感じじゃないなって思いました」
──お2人から見た5人それぞれの歌の印象を聞きたいです。三田さんは?
斉藤「三田さんはもう、サムライって感じですね」
竹内「職人みたいな感じでした」
斉藤「かっこいい声で、曲の盛り上がるところでガン!って持っていけるタイプでしたね」
──雪月さんは?
斉藤「かわいらしいというか末っ子特有の感じで、これからもっとすごくなるぞっていう可能性を秘めた声でした」
竹内「途中で、〈今の私、かわいかったですか?〉みたいな感じで訊いてきて、めちゃくちゃかわいいなって思いました(笑)」
――さすがですね(笑)。里菜さんは?
斉藤「明るいんだけど硬くない声というか、やわらかいんだけど明るくて迫力もあってめちゃくちゃいい声だなって。曲を明るい雰囲気に変えられるのは、すごい天性のものだなって思いました」
竹内「すごく伸びやかだし、耳にパーンって入ってくるよね」
――藤田さんは?
斉藤「品があるけど上品すぎない、親しみやすいんだけど上品って感じですね。品性があってかわいらしい声って、あんまりないからいい声だなって思いました」
竹内「あと、非常にユーモアがあって面白かったです(笑)」
斉藤「〈鳴りやまない〉ってすごいノリノリでやってくれて楽しかったですね」
――田中さんは?
斉藤「いい意味で完全に飛び道具ですね。最強の武器だと思います」
竹内「そうね、声が耳にポーンって入ってくるもんね」
斉藤「高いところが出てるというか、一番聴こえる音域の声なんです。きゃぴきゃぴって感じで、この子の声はすごい武器になるなって思いました。いや〜、みんなほんといい声で、レコーディングがすごい楽しかったですね」
クラポ一同「ありがとうございます!!」

“なりたいガール”についての素朴な疑問
――では、曲についてメンバーからONIGAWARAさんに質問していきましょう。
三田「私、落ちサビの〈オンラインなんかじゃ伝えきれないんだ この熱も冷たさも 触れられなくてもちゃんと目を見て話そうよ〉というところがとても好きです。それまですごい明るい感じで、急にそこで感動する部分が入ってくるのが気に入っています。どのように作られたんですか?」
竹内「僕はいつも曲を作る時に、すごいポップなものを作ろうと思ってるんです。ただ、飄々とした感じで作りたいんです。それでCメロで一番核心を突いたことを言うと、ちょっとドキッとするしそこがより伝わるなと思ってて。今言ってくれたみたいに、あそこに一番伝えたいことを込めて作りました」
三田「そうなんですね。あのパートを歌う前は、伝えなきゃと思ってとても緊張します」
斉藤「あそこは完全に三田節って感じだよね。歌割りも合ってるなと思いました。落ちサビは音でもドラマが欲しいねって、編曲の面でも協議したんです。だからいっぱいギターも重ねたりとかしました」
藤田「あの〜、なんで歌詞にワンちゃんが出てくるんですか?」
竹内「それは本当に申し訳ないんですけど、僕が犬をすごい好きだからです(笑)。自分がマスクを外して笑顔を見せる瞬間って、今はワンちゃんと接する時だなと思ったんですよ。で、〈チャンス到来〉と〈ワンちゃん〉を掛けさせていただきました」
藤田「なるほど〜〜〜」
里菜「歌詞は、一気に書き上げているんですか? ひとつずつ細かく書いていくのかちょっと気になりました」
竹内「とりあえず1番をがんばって書くんです。1番ができたら全体のストーリーがなんとなく見えるので、そこからは早いですね。あとはサビの〈マスクになりたい〉ってワードができたらもうよし!みたいな。そこから広げてる感じですね」
斉藤「でも、2番で普通のラヴソングになるからすごいよ。いろんな聴き方ができるよね」
里菜「確かに」
三田「ファンの方も、あいりが歌ってる〈アバンチュールしちゃったりして〉のところが好きって言ってくださいます」
藤田「ファンの方に〈アバンチュールしたい!〉と言われます(笑)」
三田「アバンチュールという言葉は使ったことがなかったから、知らなかったです」
竹内「90年代のJ-Popに、アバンチュールって言葉がよく出てくるんです。普段使う言葉じゃないですけどね。90年代的〈恋の冒険〉みたいなおしゃれな言葉だったので、それを使ってみようかなって思いました」
雪月「私は、さほと歌っている〈君のメガネになりたい その目に映る物全てにフィルターをかけて〉というところがすごく好きです。マスクの発想から、コロナ禍じゃなくてもつけられるメガネってどうやって思いついたんですか?」
竹内「これも本当に申し訳ないんですけど、自分がメガネをかけてるからですね(笑)。あと、最近みんな写真撮る時フィルターをかけてると思うんで、そこもちょっと意識しました」
雪月「すごい!」
田中「ライブ映像を観ていただいたということなのですが、ライブでここはこういう風に歌ってほしいとか、この歌い方は気に食わないとかあれば……」
一同「アハハハ(笑)」
竹内「いや、配信ライブの時ですでにいい感じで歌ってもらってたし、レコーディングでも、こっちが言ったことに倍ぐらい返ってくる感じだったから問題無いですよ」
斉藤「レコーディングで言ったのも、どこで音を切るとかリズムのことだけだよね。感情面では我々は女の子ではないですから、本人たちに任せたほうがいいものが出てくると思うんです。それで何倍も相乗効果が出て、すごくいい形になったんじゃないかなって思ってます」
クラポ一同「ありがとうございます!!」

アンコールで出て行く光景をイメージした“NARIYAMANAI”
――あと、カップリングの“NARIYAMANAI”もONIGAWARAさんが手がけられてますが、これはライブのアンコールをイメージした曲ですね。
竹内「はい、アンコールに出て行く曲を作ろうって話から作り出したんですけど、みなさんも僕らも演者なので、ライブする気持ちとかアンコールで呼ばれて出ていく気持ちとか分かるじゃないですか。あと、今こんな状況だから、オンラインでライブすることとか、有観客のライブができるようになってお客さんに会えた時の気持ちとか、そういう気持ちを込めて書きました。まあ、僕らは前日にパックとかはしないですけど(笑)」
クラポ一同「アハハハ(笑)」
竹内「そこは、女の子だったらライブ前日にお肌のお手入れするのかなとか想像して書きました」
――自分たちも気持ちが分かる歌詞なので、すごく歌いやすいんじゃないですか?
三田「そうですね。初めてライブに来てくださったお客さんも、絶対に楽しんでもらえる曲をいただけたと思いました。本当に私たちが思っていることが明るい曲調の中に全部詰まっているし、プラス、お客さんがグッとくるような歌詞だと思いました。アンコールの歌なので、私たちのファンの方々、ポッパーさんがいるからこそ歌える楽曲だなとすごく思います。歌っていてとても楽しいです。この曲を伝えたいし、お客さんにも受け取っていただきたいと思います。あと、よく聴くと泣ける歌だったりするので、本当にいい曲をいただけたとすごく思います」
里菜「歌っていると、明るくポップな感じから急に〈君の声が雨のように降り続く〉ってなって、そこでグッと持っていかれます。ただ明るいだけではなく、急に心に刺さるんです。いぶ(三田)が言ったように、いろんな意味が込められている曲だと思いました」
斉藤「あそこはリズムが3連符で、日本人がグっとくる感じにDNAに刷り込まれてるんですよ。小田和正さんの〈あの日 あの時 あの場所で〉(“ラブ・ストーリーは突然に”)みたいな感じで」
里菜「ここめっちゃ好きー!って思います(笑)。この曲、振りも全部音で取っているんです。勢いよく踊れてとても楽しいです」
竹内「拳握って踊ってるのを映像で観ました」
里菜「本当ですか? お客さん参加型な曲という感じがすごくします」
斉藤「満員のお客さん全員で拳握ってたら面白いかもね」
クラポ一同「アハハハ(笑)」
――では、せっかく対談が実現したことですし、クラポからONIGAWARAさんにお願いなどありますか?
藤田「ぜひ、ライブを一緒にしたいです」
竹内「ぜひぜひ。僕ら楽曲提供したアイドルさんと一緒にやることが多くて」
藤田「あと、カヴァーし合ってみたいです。ONIGAWARAさんの楽曲を私たちがやって、ONIGAWARAさんには“なりたいガール”“NARIYAMANAI”をやっていただくというのをやりたいです!」
斉藤「それは初だね。我々の曲をやってもらったこともないよね」
竹内「そうだね、それはすごいね。ぜひコラボしてください」
クラポ一同「うれしい〜!!」
雪月「もしまた曲を書いていただけるなら、元気が無い時にがんばれるような曲が欲しいです。最近よく行きの電車で、今日1日がんばれるようにって音楽を聴くんですけど、そういう曲があったらいいなって」
竹内「基本的に僕らはあんまり暗い曲を書けなくて、明るい曲ばっかりなので、いつでも書きますよ」
雪月「やった〜!」
――いつか実現するといいですね。では、最後はお互いにエールを送る形で対談を締めたいと思います。
竹内「今より状況が良くなって、お客さんの声が出せるようになったらこの曲たちもさらに輝いていくと思うので、みなさんにはぜひ歌い続けていっていただきたいなと思ってます」
里菜「ONIGAWARAさんは、私には思いつかない素晴らしい曲を作られる才能があると思うので、私たちもそのパワーにあやかりつつがんばりたいです。そして、ぜひまた曲を書いてほしいと思ってます」
クラポ一同「よろしくお願いします!!」
竹内「そんなに言ってくださって、ありがとうございます」
斉藤「僕らも楽しかったです。じゃあ、次の機会までバリバリこのCDを売ってください(笑)!」
クラポ一同「がんばります(笑)!!」
