夜明け時の薄明光線にも似た寂然としていながらもしなやかなフォークトロニカを奏でるローラ・マーリングとマイク・リンゼイのデュオ。この3年ぶりの2作目においては、自由軽妙な躍動感を得たローラと挑発的ともいえる姿勢でイマジナティヴなサウンドを繰り出すマイクによるいっそう密度の濃い対話が目の当たりにできる。生々しくしなやかなビートを携えた“Animal”での両者の内なる野生が露わになっているあたりにもコラボ体制の充実ぶりが窺えるし、とにかく本ユニットの可能性をもっと掘り下げたいといった強い思いが全編から溢れ出していて、妙にドキドキしてしまう。多重録音によるローラのコーラスワークも前作を上回る華麗さだし、新たな地平へ一歩踏み出した感がする。