PR
インタビュー

前嶋貫太郎とRYO the SKYWALKER、世代もスタイルも異なる2人が語るレゲエの現在と未来

前嶋貫太郎『222』

Page 2 / 3 1ページ目から読む
前嶋貫太郎

〈世界は悪くない〉と次世代に伝える“WARUKUNAI”

――そう考えると今回“WARUKUNAI”で実現したRYOさんとの共演は感慨深いですね。

RYO「福生のイベントに呼んでもらって以降は会う機会が中々なくて、そこにコロナの影響もありつつ、今回突然オファーをもらって。(“WARUKUNAI”は)ビートがアフロビーツっぽい感じで始まるんすけど、今回みたいなちょっと軽快なやつがちょうど好きやったんでよかったというか」

『222』収録曲“WARUKUNAI ft. RYO the SKYWALKER”

――タイミング的にもよかったという。

RYO「個人的には今、自分のやってきたことを振り返ってる時期なんです。〈現場現場〉でずーっと来てたんで、今まではレゲエ観としてもダンスホールで歌うための曲を作るっていう意識が強かった。

でも、今はコロナのせいもあんのかないのか、部屋でもゆっくり聴けるもんが自分のやれてない部分かなと思ったんですよね。今回の曲はそこにもハマったし、自分も歳とってきて、アコースティックなものやったり、歌っぽいものに向かい始めてる感じもあるんで、ホントに節目というか、いいタイミングでオファーいただいたなと思って気に入ってます」

――曲の内容はどのように詰めていったんですか?

RYO「コロナでみんなが疑心暗鬼じゃないですけど〈この世界どうなっていくんかな〉って思ってる状況の中、タイトル通りこの世界は悪くないことを信じて次の世代にそういうメッセージを伝えたいっていう話を貫太郎から聞いて、そこもすごい共感しましたね。もちろん僕の方が世代は上なんすけど、言うたら僕と貫太郎の世代が一緒になって、もっと下の世代に残せるもの、今残して刺さるものになったかな」

貫太郎「コロナ以降会う人も限定されてましたし、他の曲は身の回りに起こることで曲を完結させてたので、今回のアルバムの中で世の中全体に伝えるような曲は“WARUKUNAI”が唯一かなと思うんですよ。

基本ポジティヴな方向に持っていきたいっていうのはあるので、“WARUKUNAI“ではそれを広い視野で伝えられたかなと思います」

 

肩の力を抜いて聴けるアルバムを作りたかった

――“WARUKUNAI”もそうですけど、このアルバムは今の状況を力で打破するというより、日常のペースや自然体に立ち戻ることで乗り越えていこうっていうアルバムにも聴こえてくるし、穏やかなビートが中心な理由もそこなのかなって。〈今は変わらぬ明日が愛おしい〉と歌う“blue”や、〈一息入れて落ち着かせて〉と始めるARAREさんとの“Nuku”もしかり。

貫太郎「“blue”とかはコロナ禍になって速攻で書いたんで、その時の素直な気持ちが反映されてるし、そういう曲が多いかもしんないですね。

『222』収録曲“Nuku ft. ARARE”

リラックスしてさらーっと30分聴いて、気づいたらまた1曲目に戻ってたっていうぐらいの肩の力を抜いて聴けるアルバムを作りたいと思ってトラックも選びましたし。今回言葉をすごい抜いて作ったんですけど、フロウを楽しむ、遊ぶっていうことも形にできました」

――その遊びっていうのは具体的にはどのような?

貫太郎「メロディーラインですかね。あとはヴァースで4小節ずつフロウを変えたり」

RYO「今そういう感じよね。コフィー(Koffee)とか聴いててもフロウがころころ変わっていくけどちゃんとハマっててどのフロウも気持ちいいみたいな。本場のジャマイカでもトラップっぽいビートやったり、ディージェイにしても間をうまいこと使うようなフロウも多くてどんどん変わって行ってるし」

貫太郎「そうですね。そういうちょっとしたギミックが楽しかった」

コフィーの2019年作『Rapture』収録曲“Toast”。コフィーはジャマイカ、スパニッシュ・タウン出身のレゲエ・アーティストで、ライジング・スターとして注目を集めている
関連アーティスト