“ずっと”の大ヒットを経て、結成20周年の2014年はアルバム『渋谷純愛物語』の発表で気を吐いたSPICY CHOCOLATE。豪華な客演や意外な組み合わせで常々話題を振り撒く彼の新たな年の幕開けは、ジャマイカが世界に誇るリズム・セクション/プロデュース・チーム、スライ&ロビーとの共作盤だ。

SPICY CHOCOLATE and SLY & ROBBIE THE REGGAE POWER VP/ユニバーサル(2015)

 海外では昨年に配信リリースされ、第57回グラミー賞の〈最優秀レゲエ・アルバム〉部門にノミネートされるというジャパレゲ界初の快挙を成し遂げた同作は、その名も『THE REGGAE POWER』。シズラからAIRYO the SKYWALKERらまで、日本とジャマイカ勢が顔を揃えると共に、SPICYならではの客演勢の絡みは今回も欠かせぬトピックに。ビーニ・マン×Crystal Kay青山テルマ×T.O.K.に加え、Mr.ヴェガス×CHEHONがアルバムをハッピーに飾っている。また、メロディアスなミディアムを軸とした構成も、ゲストの好演と相まって安定感は抜群。ロメイン・ヴァーゴの伸びやかな歌が冴え渡る“Star Across The Sky”をはじめ、シャギーとの“I Will Be There For You”やT.O.K.による“ずっと”の英詞版が聴きどころだ。本作でSPICYは世界に向けて新たなページを開く。