コロナ禍を機に自宅で過ごす時間が増えたことで、リスニング環境をより快適にしたいと考えるようになった音楽ファンは少なくないはず。とは言え、いきなり高いオーディオを買って失敗するのは怖いし、いったいどうしたらいいのだろう……。

そうした音楽ファンの悩みに応えるべく、痒いところに手が届くサービスを提供しているのが、オーディオ・レンタルの会社、ONZOだ。比較的安価な製品から数十万円するような高額製品まで幅広く取り揃えるONZO、その特徴はレンタルの仕組みとしてサブスクリプションを採用しているところにある。つまり月ごとに一定の金額を支払えば、あとは自由に製品を借りることができるというわけだ。これなら、高額製品の購入に躊躇していた人も〈とりあえず〉の感覚で気軽に試せるだろう。

Mikikiでは、そんなONZOの魅力を掘り下げる特別企画を前後編に分けて実施。ONZOの代表取締役・知場啓志氏へのインタビューを掲載した前編に続き、後編となる本記事では、Mikiki編集部員の鈴木によるサービス体験記をお届けする。

オーディオ好き、音楽好きがよだれを垂らさずにいられないような高品質製品を次々と試す機会はそうそうないため、私のオタク的な興奮ぶりが顔を覗かせてしまっているかもしれないが、どうか大目に見てほしい。私の熱が読者のみなさまにも伝わり、〈ちょっと試してみたいかも……〉と思ってもらえれば幸いだ。

★ONZO特集前編のインタビュー記事はこちら


 

体験者自己紹介

鈴木英之介(名前は〈ひでのすけ〉と読む)。Mikiki編集部員。好きな音楽家は細野晴臣、ブライアン・ウィルソン、スライ&ザ・ファミリー・ストーン、ドビュッシー、ビル・エヴァンス、ジム・オルーク、ウィルコなど多数。普段使用しているオーディオ機器は、外出時にはSoundPEATSのBluetoothイヤホン〈TrueFree+〉、自宅ではゼンハイザーの有線ヘッドホン〈HD598〉である。

今回は月額12,800円のプランに登録し、19,800円のBluetoothイヤホン、299,980円の有線イヤホン、145,200円の有線ヘッドホン、179,000円のBluetoothスピーカー、そして29,920円のターンテーブルと、しめて約67万円分(!)のアイテムをレンタルした(元を取るにもほどがある)。

かなりの高額商品が混ざっているため、それらがいったいどんな聴き心地だったか、気になる方も多いだろう。だがその紹介を行っていく前に、まずはONZOのサービス利用の流れをざっと振り返ってみたい。

 

製品の注文から返却までの流れ

ONZOのサービスにおける美点の一つは、何と言っても注文から返却に至るまでの手続きの簡便さだ。お恥ずかしい限りだが、私はかなりの面倒くさがり屋なので、手続きがちょっとでも煩雑だと、たちまちそのサービスを使う気をなくしてしまう。その点、ONZOの手続きはいたってシンプルなので、ものぐさな私でも快適に利用することができた。以下、流れを見ていこう。

1. ONZOのオフィシャルサイトでの会員登録

まずはONZOのオフィシャルサイト(https://onzo.co.jp/)のトップページより、登録画面に進み、氏名や送り先、決済方法などの情報を登録する。次にONZOが提供している以下の全5種のプランから、一つを選んで登録する(私は今回、もっとも利用できるサービスが多いプレミアム・プランに登録した)。

これでもう、サービスの利用に必要な情報登録は完了だ。どうだろう、これなら私と同様のズボラさんでも、負担を感じることなく利用できるのではないだろうか。

2. 製品のレンタル注文

基本情報の登録が済んだら、お待ちかねのレンタル・タイムだ。私はプレミアム・プランに登録したため、一度に3つの製品までレンタルできるということで、ワクワクしながらあれこれ物色する。至福の時間だ。商品一覧ページを開くと、画面左側に製品の種類や対応プランなどで条件を絞り込める検索窓がついていて、製品を探す際に重宝する。

個人的にオススメなのが、〈今すぐ借りられる〉のチェック・ボックスにチェックを入れて検索することだ。それにより〈借りたかった製品が借りられていた〉というストレスを味わうことなく、すぐにレンタル可能な製品の中からスムーズに選ぶことができる。なお目当ての製品が他のユーザーに借りられてしまっている場合であっても、その製品が返却され次第すぐに通知してくれるサービスがあるので、そちらをぜひ利用してみてほしい。

3. 製品が届く~返却

私の場合は東京都在住なので、注文から1日~1日半くらいで製品が届いた。地方にお住いの方であっても、注文からだいたい3~4日以内には届くと思われる。製品は段ボールにしっかりと梱包されており、開けると隙間には緩衝材がしっかりと敷き詰められている。また中には、ヤマト運輸の着払い伝票も同封されている。この着払い伝票と緩衝材、そして段ボールは製品を返却する際に必要なので、誤って捨ててしまわないように気をつけてほしい。

なお返却の手続きは、これまたシンプルだ。製品を段ボールに詰めて送られてきたときの状態に戻し、テープでしっかり閉じる。そして宛先記載済みの着払い伝票に必要事項を記入して段ボールに貼り付けたら、あとはセブン-イレブンなどのヤマト運輸取扱店舗へ持っていくだけ。拍子抜けするほど簡単で〈本当にこれだけでいいんだろうか……?〉と不安になってしまうくらいだ。しかし心配はいらない。窓口から郵送してしばらくすると、返却を知らせるメールが届き、これにて返却手続きは完了となる。なお製品のクリーニングは全てONZOがしっかりと行ってくれるので、こちらでは何も気にする必要はなく、そこも大変ありがたい。

※ヤマト運輸の取扱店舗一覧はヤマト運輸のサイト(https://locations.kuronekoyamato.co.jp/p/yamato01/)から調べられる

ここまで、製品のレンタルから返却に至るまでの流れをざっと確認してきた。次はいよいよ、レンタルしたオーディオ製品を比較していきたい。比較の尺度として用いるのは、80年代を代表するあの名盤だ。