バンド結成10周年、メジャーデビュー5周年という、SHE’Sにとってアニバーサリーイヤーとなった2021年。そんな記念すべきタイミングで、SHE’Sの集大成ともいえるアルバム『Amulet』が届けられた。

SHE’S 『Amulet』 ユニバーサル(2021)

――ピアノインスト“Rained”からの“追い風”で始まる『Amulet』。“追い風”が2曲目にあることでワクワク感や高揚感が高まり、早くアルバム全曲を聴きたい!と思わせられますが、曲の並びでこだわった点などがあれば教えてください。

井上竜馬(キーボード/ヴォーカル)「曲の並びはけっこう遊び心で決めたりもするので、最初は“Delete/Enter”を2曲目にするか悩んでもいました。予想外の雰囲気の曲が来ると〈おっ〉となると思ったので。でも“Delete/Enter”は今までで一番曲のサウンドや雰囲気に幅があったように感じたので、”追い風“のような既出曲でアルバムスタートは安心してもらってから、いろんな曲を聴いてもらおうかなと思いこのような形になりました」

――メンバーの皆さんは、井上さんのデモを聴いた時に〈お! この曲やばいやん!〉と感じた楽曲はなんですか?

木村雅人(ドラムス)「僕は特に“Delete/Enter”が驚きました。この楽曲デモが届いた時に、竜馬にすぐ〈めちゃくちゃ良い〉と連絡しました。ここまでダークで少しホラー感を纏った楽曲は今までなかったと思いますし、竜馬の歌い方も低音で新鮮に感じました。サウンド、フレーズ的には僕が学生時代ずっと聴いてきたポップパンクと重なる所もあり、制作していてとても楽しかったです」

服部栞汰(ギター)「この曲やばいやんと感じた曲は“If”。1曲の中に何曲もの曲が入っているような展開で驚きました。初めて聴いてすぐに竜馬にその驚きの連絡をしました。今までのSHE’Sにはない展開なので是非聴いてみて下さい。“Take It Easy”は、アレンジや音作りに細かいところまで凄くこだわりました。ギターソロも勢いのある爽やかなギターソロに仕上がったので、自分で弾いていても気分が上がります」

広瀬臣吾(ベース)「“If”がお気に入りです。今までにない新しい展開の曲だと思います。ベースとしても、シンセベースと、いなたいエレキベースの音のコントラストがすごく良い感じに出せました」

――『Amulet』の中で、生みの苦しみと言いますか、井上さんが完成させるのに一番時間がかかった楽曲を教えてください。

井上「“Delete/Enter”です。この曲が持つホラー感というものをやったことないのにも関わらず、イメージがあった分それを実現するのも大変でした。久しぶりにアイデアの脳みそをフル稼働して作りました(笑)」

――前作『Tragicomedy』のインタビューの際に、井上さんと広瀬さんが〈今までのSHE’Sっぽくない曲もあるけれど、それによってSHE’Sの芯(チャレンジ精神を忘れない)が見える作品になった〉と仰っていました。今回のアルバム『Amulet』はどのような作品に仕上がったと思いますか?

井上「前作でのその〈やったれ〉精神は引き継いで制作していたので、相変わらずサウンドも歌詞も初となるスタイルのような曲も生まれました。アルバム通してストーリーを作るという手法を用いなかった分、最も表現の自由度が高い作品となりました」

広瀬「前作では曲が完成した当初はSHE’Sっぽくないと思っていたんですが、今では、〈全然SHE’Sやん〉っていう感覚になってきました。最近は新しいサウンドを取り入れる挑戦をしてきたんですが、今回のアルバムではそれが勝手に出てきたっていう感じで、『Amulet』は10年分のSHE’Sが詰まったすごくナチュラルなアルバムかなと思います」

服部「今回も前作で取り入れていたエレクトロや打ち込みの要素を入れつつも、ジャンルに囚われないSHE’Sらしいアルバムになったと思います。壮大なストリングスが入ったバラードもあれば、80’sサウンドで懐かしさを感じれるような曲や、踊れる曲もあります。様々なカラーの曲があるので、どんな方でも好きな一曲が見つかると思います。とにかく今の僕らがやりたいことを全て詰め込んだ、10周年の集大成と言える自信作になっています」

木村「チャレンジ精神はもちろん今作でも詰まっています。サウンド面ではより時代の幅が広がった様に感じていて、今回特に80’sサウンドはとても意識しました。楽曲の自由度が更に増していったとは思いますが、アルバムの最後をしっかり“Amulet”の様な楽曲で締める事でSHE’Sの芯が見える作品になったと感じています」

――ラストの“Amulet”はアルバムタイトルにもなっています。Amulet=お守り。この楽曲はどのような想いを込めて、どういうことが伝わればいいなと考えながら制作されたのでしょうか?

井上「家族だって友達だっていて、本当に孤独ではないのにどうしようもなく孤独や不安を感じてしまう夜が僕たち人間には多々あると思います。そんな時に救ってくれたのが音楽だったので、僕らの音楽もまた、独りの夜のそばにいる存在であったらいいなという想いを込めて作りました」

――バンド結成10周年、メジャーデビュー5周年、2022年2月には日本武道館公演が決まっています。SHE’Sのこれからの活動に向けて〈気合い〉の言葉をお願いします!

木村「ありがたいことにこうしてバンドを10年も続ける事ができて、その節目に憧れの武道館でライブをする事ができて本当に感謝しかないです。まずはしっかり今できる最高のパフォーマンスを武道館で披露し、この先もSHE’Sについて行きたいと思ってもらえるようなライブにしたいと思います!」

服部「とにかく今年は10周年ということなので、ツアーと武道館公演で、応援してくれているみんなにしっかりと音でお礼を伝えたいです! そしてこの先、20周年の時も笑って祝えるようなバンドでありたいなと思います。武道館公演が夢のゴールではなく、さらに大きい夢に向けて突っ走っていきたいです!」

広瀬「ツアー、武道館、バンドの全てを見せます!」

井上「〈10周年おめでとう〉とたくさんの応援をしてくれているファンの方に言っていただいた一年だったので、武道館は特大のありがとうで返す一生忘れられない1日にします!」