SHE’Sが選ぶ〈コロナ時代の1曲〉

私たちの日常の風景をすっかり変えてしまった、コロナ禍。それはまた、私たちの音楽の聴き方にも少なからず影響を及ぼしたと思います。以前好きだった音楽を受け付けなくなったり、あるいはそれまでスルーしていたような音楽に突如として心を奪われたり……。

そこでMikikiでは、ミュージシャンやレーベル関係者、レコード・ショップ関係者、ライブハウス関係者など音楽に関わって仕事をする人々に〈コロナ禍以降、愛聴している1曲〉を訊ねる新連載をスタート。その回答は一人ひとりのいまの心情を映し出すと同時に、災いに見舞われた人々に対して音楽がどのような意味を持つのか、そのヒントにもなるのではないでしょうか。＊Mikiki編集部

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（左から）木村雅人（ドラムス）、広瀬臣吾（ベース）、井上竜馬（ヴォーカル／キーボード）、服部栞汰（ギター）

SHE’S

メンバー全員大阪出身のピアノ・ロック・バンド。2012年〈閃光ライオット〉のファイナリストとなったのを契機に高い音楽性が注目を集め、2016年6月にメジャー・デビュー。全作品のソングライティングを担う井上竜馬が奏でるピアノをセンターに据え、エモーショナルなロック・サウンドから心を鷲掴みする珠玉のバラードまで、壮大かつ圧倒的な存在感を放つ。2021年、バンド結成10周年、メジャー・デビュー5周年のアニバーサリー・イヤーに突入した。

コロナ禍以降、特に愛聴している1曲は何ですか?

井上竜馬（ヴォーカル／キーボード）が選ぶ1曲
HAIM “Something To Tell You”（2017年作『Something To Tell You』収録）

家の中でも外に散歩に出た時でも元気をくれる、足が心がふわっと軽くなるような曲です。乾いたロック・サウンドが特徴の彼女たちですが、この曲はそのサウンドにウェットなシンセが入ることで心地よいアンバランスを楽しめるのも好きなところです。力の抜けた歌声にも注目!

服部栞汰（ギター）が選ぶ1曲
春畑道哉 “Wave Rush”（93年作『Real Time』収録）

以前から大好きな曲でしたが、コロナ禍で家にいる時間が増えると明るい曲で気分も明るくしたいので最近よく聴いています。イントロから疾走感のあるロック・サウンドで、歌のないインスト曲ですがメロディアスなギターが歌っています!　後半のギターのたたみかけもたまらなくかっこいいので、ギターキッズは必聴です!

広瀬臣吾（ベース）が選ぶ1曲
B’z “裸足の女神”（93年のシングル）

昨年B’zが過去の映像作品を期間限定で公開していて、とにかくそのライブが最強で、コロナ禍の憂鬱を吹き飛ばしてくれました。その中でもこの曲の、演奏や歌の今見ても変わらない瑞々しさがすごく印象的でした。

木村雅人（ドラムス）が選ぶ1曲
Ben Rector “Brand New”（2015年作『Brand New』収録）

2年程前に初めて知ったアーティストなのですが、少し懐かしさを感じるメロディーと優しい歌声に虜になってしまいました。多種多様な曲とサウンドにドラマーとしてもとても刺激を受けています。コロナ禍でなかなか外出も出来ず窮屈な日々の中、この曲はすごく開放的な気持ちにしてくれて気分を高めてくれました。シンプルな曲ですが、リズムの軽快さとサウンドの広がりは聴きどころです。ライブの様な臨場感があり背中を押してもらえる一曲です。