小坂忠と歌った“アイ・キャン・オンリー・イマジン”

――そして、映画「アイ・キャン・オンリー・イマジン 明日へつなぐ歌」の日本版主題歌として、“アイ・キャン・オンリー・イマジン”のカバーを昨年9月にリリースしました。

Kenta「僕は教会で育ったので、あの曲をオフィシャルでカバーできたはすごくhonor、光栄でした。クリスチャンミュージックって自分のために歌うんじゃなくて、誰かのために歌うものなので、僕にとってスペシャルなものなんです。たとえば、賛美歌は神様のために歌うもの。なので、歌い方や歌うときのそのマインドスタンスも変わってきます」

2020年のシングル“アイ・キャン・オンリー・イマジン feat. 小坂忠”

――“アイ・キャン・オンリー・イマジン”は小坂忠さんとの共演曲でしたね。長らく日本のクリスチャンミュージックを牽引されてきた小坂さんとの交流はいかがでした?

Kenta「不思議で特別な体験でしたね。小さい頃から教会で歌っていた曲には小坂先生が書かれたものがたくさんあって、〈この曲もそうだったんだ!?〉と後から気づくことも多かったんです。

たくさん話をして、ライフストーリーや経験談を聞けたのはとても有意義でしたし、いろいろなことを学べました。キャリアがありながらも常にhumble(謙虚)で、僕のような20歳のシンガーと一緒に歌ってくださるような広い心を、自分も70歳になったときに持っていられたらなって思ったんです。ライフゴールにしたい方が目の前にいる、と感じましたね。ある意味で、次の世代のシンガーとしてバトンを渡されたようにも思います」

 

“Where We Started”で歌った5,000マイルの距離、“Tattooed Hollywood”に刻まれたLA

――その後に発表したシングル“Where We Started”は、いま振り返ってみてどうですか?

Kenta「“Where We Started”を聴くと、去年の夏の状況や感情がよみがえってきます。たとえば、体が弱っていた頃のことや、アメリカの友だちと5,000マイルも離れていたこと、ずっと自分の部屋で音楽を作っていたこと、午前2時にフランス語の授業を受けていたこと――そういうことが当時の感情と一緒に込み上げてくるんです。でも、いま聴くと、その向こう側に来られた感じがして新鮮ですね」

2020年のシングル“Where We Started”

――今年8月には、“Tattooed Hollywood”をリリースしました。改めて、どういう曲だったのかを教えてもらえますか?

Kenta「1年ぶりにアメリカに帰る直前に出来た曲なので、〈あとちょっとで帰れる!〉という気持ちを込めて書いた曲です。LAの好きな場所を歌詞に織り込んでいるので、アメリカで聴いてもリアルな歌だなって、最近自分で聴いて実感しています(笑)。

“Where We Started”では〈自分が始まった場所はLAなんだ〉、“Tattooed Hollywood”では〈もう僕はstrangerじゃない〉というふうに、歌詞も繋がっていますね」

2021年のシングル“Tattooed Hollywood”