旧東独の名指揮者として親しまれたハインツ・レーグナーが故郷ライプツィヒのMDR交響楽団などを振った晩年(1994年~2001年)のライヴ録音集。際立つのはベートーヴェンの交響曲第6番とブルックナーの交響曲第6番。清澄で硬質な弦の背後からシュッと管打を透かし彫りする技が冴え、聴き手を覚醒させる。またラヴェルの“クープランの墓”やガーシュウィンの“パリのアメリカ人”は瑞々しい運びの中でリズムをごつごつ刻むのが面白い。解説書(英語・ドイツ語)には遺族や読売日本交響楽団が提供した写真が多数掲載され、あまり表に出なかったレーグナーの素顔を垣間見られる。