冒頭のブルージーなギターリフだけでわかる。これはウム史上前例のない骨太パワフルな大傑作だ! 西アフリカはマリが誇るアフリカ最高のシンガーという枠さえ越えていまやビヨンセからアヤ・ナカムラまでに影響を与え、近年は音響を意識したサイケ作や生感を重視した実験的と言える痛快に尖った作品を発表してきたウム・サンガレ。今作では西アフリカの弦楽器でブルースとも親密な繋がりのあるカメレ・ンゴニの奏者ママドゥ・シディベと共に楽曲制作を行ったことからか砂漠の民さながらのブルース色が濃厚。年々深みを増す塩辛い歌声との相性も抜群で、ストレートにテンションのあがる作品となっている。