オリヴィア・ロドリゴ“good 4 u”を共作してグラミーにもノミネートされたシカゴ出身のシンガー・ソングライターがアルバム・デビュー。もっともそれ以前に“IDK You Yet”(2020年)でブレイクし、エムエックスエムトゥーンとの共演やテイト・マクレーらへの楽曲提供も行う影響者である。実体験を赤裸々に歌う作風で若いリスナーの共感を……というのは近年の常套句だが、ここでもダン・ニグロを共同プロデューサーに迎え、オリヴィアもペンを交えた“Hate Me If It Helps”を筆頭に感情の昂りを繊細に描いた楽曲が並ぶ。亡き友に歌った“The Hardest Part”、過ぎた恋愛をキャッチーに振り返る“Crash”など、ギターを軸にした簡素な意匠と陰影豊かな歌声は彼の真骨頂だ。日本盤には“Girl”をボーナス収録。