谷川俊太郎の作品をこのアルバムのために新たに書き下ろした“ある墓碑銘”。喪失感とそこからの再生が静かに漂う詩に透明感のある音楽が寄り添う。〈語るように歌う〉とはしばしば言われる表現で歌を歌うひとつの理想の様なイメージがあると思いますが、これを体現しているのがこの大石さんの歌唱ではないでしょうか。ひとつひとつの言葉の明晰さ、その言葉が聴き手に真っすぐに入って来るようなうた。「よだかの星」の〈ひとり語りオペラ〉ヴァージョンは、ご自身が落語がお好きだそうですが登場する様々なキャラクターを見事に歌い分けまさにオペラで落語をやっている様。“わたしの好きな歌”他充実のプログラムです。