ダップトーンの新しいサブレーベル、ペンローズから“Can I Call You Rose?”(2020年)でデビューして脚光を浴びたサンディエゴの3人組がいよいよアルバム・デビュー。同曲のヒットに伴って賑わうソウルディーズ界隈ながら、根本的にはチカーノ・ラップで言うところの〈オールディーズ〉と同義で、ドゥワップからスウィート・ソウルにまで至る50~70年代マナーのレトロな歌世界に浸らせてくれる。ライヴでも歌う女性ヴォーカル陣はもちろん、ダップトーン首領のガブリエル・ロスがコスモ・バン(ボスコ・マン)名義で助力し、他にもアルトンズ周辺の面々も演奏で援護。リヴァイヴァルも含めてずっと存在してきた世界だけに必要以上に持ち上げる気はしないが、期待以上の甘い煌めきが堪能できる好盤には違いない。