
スタートから紆余曲折を経て3年半、楽曲の良さに定評のある気鋭のアイドル・グループがついに初のフル・アルバムをリリース! 大きな節目を迎えた3人はいま何を語る?
ひとつになった感じ
ファンをニッコリさせるチャーミングなキャラクター、ハートに突き刺さるメロウ・マインド、身体を揺さぶるファンクネス――〈音楽で世界を笑わせたい! 泣かせたい! 踊らせたい!〉をコンセプトにアイドル街道をひた走ってきたSANDAL TELEPHONEが、活動開始から3年半にして、初めてのフル・アルバム『REFLEX』を届けた。新曲を含めて、昨年1月のファーストEP『SYSTEMATIC』以降の足跡がここに記されているが、彼女たちにとってこの約2年間は、メンバーの卒業を経て4人組から3人組になったという大きな転換期でもあって……。
小町まい「3人になって、みんな優しくなった(笑)。一緒にいる時間も増えたし……」
夏芽ナツ「3人になったばかりの時、一瞬気持ちが落ちちゃった時があったんですけど、じゃあどうしたらいいかなっていうのをみんなで考えて、っていうのが話す機会が増えるきっかけになって。自分というよりもグループをどう見せたいかっていうことを考えられるようになって、みんなひとつになった感じはありますね」
藤井エリカ「私個人としては、3人になってから長いフレーズを歌うことが増えました。まだ修行中なんですけど(笑)、最近はダンスにも余裕がもてるようになって、歌にも集中できるようになりました」
3人体制でのチームワークも固まってきたところで、ここ最近はライヴ活動も徐々に〈コロナ前〉の状況に戻りつつあり、また、この夏は〈TOKYO IDOL FESTIVAL〉や〈@JAM EXPO〉など、言わばアウェーな場に出て行くことも多かった。
ナツ「最近はイベントにも呼んでもらえるようになって、いろいろな人に観てもらう機会が増えました。屋外でのステージも多かったので……」
そう言ってちょっぴり日焼けした腕を見せてくれた。
新たなキラー・チューン
さて、今回のアルバム『REFLEX』。オープニングSEとなるタイトル・ナンバーから続く2曲は、7月から各地を巡っていたアルバム発売記念イベントでも先行で披露していた曲で、ひとつめの“恋の魔法使いにはなれない”は、ステージを最高潮にもっていくディスコ系ダンス・ナンバーだ。
ナツ「私たちのステージでいちばんワーッと盛り上がるのが“Magic All Night”(2020年1月リリースのセカンド・シングル)なんですけど、ちょっと前の曲なので、そういう曲を新たに欲しいなと思ってたところでした。これもそういうキラー・チューンになるんじゃないかなって思っています!」
まい「リリースイベントの場では、まだよく知らない曲ということもあって、反応もまだまだかなって思うんですけど、エゴサすると〈最後にやった曲がよかった〉っていうツイートが見られたりしてうれしいです」
エリカ「これまでいろいろな曲調でやってきたので、ファンの方もそれぞれ好きな曲があると思うんですけど、チェキ会とかで〈“恋の魔法使いにはなれない”が好き〉って言ってくださる方は、どうやらハロプロさんが好きな方が多いみたいです」
それに続く“Silent”は、Aimerや乃木坂46、=LOVE、関ジャニ∞など、数々のメジャー仕事でその名を知られた古川貴浩が作詞・作曲・編曲を手掛けたナンバー。グループの世界観に新たな風を吹き込んでいる。
ナツ「かっこよさもあり、せつない恋愛ソング、というのはいままでにはなかったので、パフォーマンスしているときがすごく楽しいです。普段見せたことのない表情で歌っているので、どういうふうに映ってるかなって自分たちも興味が沸きますね」
まい「初めて聴かせていただいたときに、こんなイイ曲を歌っていいのかなって(笑)。古川さんはレコーディングの進め方がすごく楽しくて、全部ほめてくれるんです。いまのはあまりよくなかったなって自分で思っていても、古川さんは〈いいね、いいね〉って」
エリカ「私は声を張って歌っちゃうので、古川さんには〈そんなに張らなくてもいいよ、せつなく歌ってみよう〉と言われて。それでもうまくできなかったので、レコーディングの部屋をちょっと暗くして、雰囲気作ってくださって」
ナツ「技術的な面でもいろいろアドバイスしてくださって、自分の知らなかった自分がこの曲で見えたところはあります」
私たちの〈内なる部分〉が表れてます
古川曲はもう1曲、“Be Free”。エレクトリック・ビートに乗っかった、ピースフルでハートフル、ギミック以上に芯の強いメロディーが際立つナンバーだ。
ナツ「明るい曲ではあるんですけど、キラキラっていうよりは、明るさのなかに何か優しさがある曲ですね。心に寄り添ってくれる、ストレートにイイ曲だなって思います」
まい「なんだかんだでみんな好きになっちゃう(笑)、そういう曲だと思います」
エリカ「ナツが、何回聴いてもまた聴きたくなる、聴けば聴くほど沁みてくるって言ってて、このあいだも楽屋でずっとこの曲を流していたんですけど、それから私もずっと聴いてて、帰りの電車とかでもずっと聴いてます」
また、グループのメイン・ライターであるちばけんいち作編曲による“微熱フェノロジー”は、作詞をシンガー・ソングライターの山崎あおいが担当。女性のペンによる詞は初めてだ。
ナツ「とにかく歌詞がかわいいです。女の子っぽくて、おしゃれで」
まい「私たち3人のなかにはなさそうに思われている(笑)、すごくかわいい子。控えめというか」
エリカ「私たちの〈内なる部分〉が表れてます」
まい「3人それぞれセリフっぽいパートがあって、そこはね、思いっきりかわいらしくやってます!」
といったふうにトピックだらけの新曲たちのなかでアルバムの最後を飾るのは、ライヴのセットリストでも終盤パートで映えそうなソウル・ポップ・チューン“Groovin Drive”。
ナツ「元気かわいい曲ですね。同じnaotyu-(千葉“naotyu-”直樹)さんが作曲してくださった“Step by Step”(2020年のミニ・アルバム表題曲)がそうだったんですが、“Groovin Drive”も未来に向かって踏み出していこうとしている前向きで明るい曲なんです。“Step by Step”から数年後にまたこういう曲をいただけて、グッときました」
〈可愛い? ならば旅させてよ! わたしたち強くなれるから〉とたくましく締め括られる“Groovin Drive”。授かった素晴らしい曲たちをしっかり届けるという誠意ある活動を経て、少し前に描いていた希望がどんどん確信へと変わりはじめているところで、彼女たちはまた、新しい景色を見はじめているところだろう。
まい「SANDAL TELEPHONEの曲って、聴いたら絶対にハマるじゃないですか(断言)! なので、もっともっといろんなところに出て行けば必ず!」
エリカ「アイドル界隈に限らずいろんなイベントに出て行きたいし、行けそうな気がしますね」
ナツ「アルバムが出来上がって、いろいろな方々に刺さるような曲を持ってるんだなって改めて思いましたし、びっくりするぐらい素敵なMVを作っていただけたり、衣装を2種類も用意していただけたり、SANDAL TELEPHONEがたくさんの人たちを巻き込んで、ここからどんどん大きくなっていくような気がしています!」
『REFLEX』に参加したアーティストの作品。
左から、ふぇのたすの2022年作『ピース2022』(COCONOE)、山崎あおいの2021年作『√S』(SPACE SHOWER)
ひとつの節目に差し掛かったSANDAL TELEPHONEのこれまでをディスコグラフィーで振り返ろう!
前身から発展して2019年4月に4人組のサンダルテレフォンとして始動。同年9月のデビュー曲“真夏の匂い”をはじめとするシングル収録曲たちを網羅した初の全国流通盤となる初ミニ・アルバムがこちら。グループのテーマ曲のような“コーリング”やディスコ・ファンクの“Magic All Night”、ハウス仕立ての“Follow You Follow Me”などダンサブルな持ち味は確立されている。
ミニ・アルバムが評判を呼び、初のワンマンも成功させた前年の勢いに乗って届けたファーストEP。哀愁のメロディーとニュー・ジャック・スウィング風のビート感が効いたちばけんいち作の“SYSTEMATIC”をリードに据え、恒例になるイントロのSE曲、meganeによる90sっぽいブライトなポップ・チューン“かくれんぼ”、タイプ別に用意されたリミックスなど盛りだくさんな一作に。
ちばけんいちによる“碧い鏡”と、千葉“naotyu-”直樹による“It’s Show Time!”をそれぞれリードに据えたダブルA面仕様のセカンドEP。やや大人っぽくなったクールな歌唱とシャープな疾走感のある前者、ファンキーでスウィンギンなアレンジの行き来も楽しい後者、いずれも表情のはっきりしたキャッチーな仕上がりで迫ってくる。SEの“Ready to Change”もかっこいい。
2021年4月21日に東京・渋谷WWWにて開催された結成2周年記念ワンマン〈2ND ANNIVERSARY LIVE "在る"〉の模様を収録した、グループにとって初のライヴDVD。この時点で最新曲だった“碧い鏡”の初披露や当時の新衣装のお披露目など、メモリアルな瞬間を記録した貴重な内容になっている。
既発トラックに2曲の初出ヴァージョンも加え、初作『Step by Step』収録曲を丸ごとリミックスしたアルバム。PWL風やエレポップ、直球のハウスなど、よりエレクトロニック度を増して威勢よくダンス成分を増強されたトラックたちがスムースに楽しめ、もともとの楽曲自体のシンプルな良さも改めて体感できる。なお、本作のリリース後にはメンバー1名が卒業することに。
表記をSANDAL TELEPHONEに改めてのトリオ編成としては初リリースとなった、ダブルA面仕立てのサードEP。エモーショナルな熱唱とダイナミックなビートの躍動が印象的なドラムンベースの“Lightsurfer”、ヤマモトショウを作詞に迎えた都会的なドラマティック・チューン“レビュープレビュー”、いずれもちばけんいちのキャッチーな曲作りが冴えている。






